本日の検証案件は、資産拡大AIトレードシステム「PHOENIX(フェニックス)」です。
「1分ごとに利益が倍増する」とうたうこのシステムは、本当に短期間で資産を大きく増やせるのでしょうか?
実際にメール・LINE登録して検証していきます。
PHOENIX(フェニックス)セールスコピー
まずは、セールスページから気になるコピーを拾ってみます。
引用元:https://phoenix-itsm.com/blast/lp1/
- 大手証券会社と共同開発
- 1日たった10分の稼働で毎日3万円
- 目指したのは「速さと安全性」2022年から1度も資産を溶かさず運用中
- 全自動AIトレードアプリケーション
- ノーベル賞受賞投資理論 運用アルゴリズムを搭載
- 全世界先行100名様限定
5つほど広告文をピックアップしましたが、どれも誇大広告の可能性が高いです。
大手証券会社と共同開発、とありますが、具体的な社名がないのは不自然です。
本当に大手証券会社と提携しているなら、明記するはずです。
「1日たった10分の稼働で毎日3万円」「2022年から1度も資産を溶かさず運用中」などは、「楽して稼げる」系の誇大広告です。
相場に100%の勝率はないですし、たとえAIでも相場の急変動には対応しきれません。
どんな投資手法でも損失ゼロはありえません。
「ノーベル賞受賞投資理論 運用アルゴリズムを搭載」というのも、どのノーベル賞の理論なのか明記してありませんので怪しいところです。
金融工学関連のノーベル賞理論(ブラック-ショールズ方程式など)がありますが、これらも万能ではなくリスクがある理論です。
明確な根拠もなく過剰な利益をアピールする商品は、リスクが高い場合が多いため注意すべきです。
PHOENIX(フェニックス)サーバー・ドメイン情報
以下、2025年2月8日時点のサーバー、ドメイン情報です。
ドメイン | phoenix-itsm.com |
サーバーIP | 108.138.217.97 |
ISP | Amazon.com, Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年10月30日 |
SSL証明書の種類 | Amazon |
PHOENIX(フェニックス)特定商取引法の表記
以下「特定商取引法に基づく表記」に記載されている項目です。
販売者名 | 株式会社PRICELESS |
代表取締役 | 岡村 貴弘 |
所在地 | 大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番24号P416 |
電話番号 | 06-4400-6747 |
入口となるページの特商法には、価格や返品、返金に関する記載がありません。
最終的な申込みページで、価格、返品についてなどが記載されているのですが、有料商品である以上、入口となるページにも記載すべきでしょう。
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
株式会社PRICELESSとは?
販売事業者である「株式会社PRICELESS」について調べてみました。
株式会社PRICELESS
・法人番号指定年月日 令和3年(2021年)10月4日
・法人番号 4010101012690
・本店又は主たる事務所の所在地 大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番24号P416
「株式会社PRICELESS」ですが、山形直樹の「LiNK(リンク)」という商材の販売会社です。
「Link(リンク)」は、以前「那須善次」と名乗っていた人物が、なぜか「山形直樹」と名乗り、20万超えのFXトレードシステムを販売していた案件です。
「株式会社PRICELESS」は、最近では、NOBUの「全自動インサイダーロボ」の販売会社(以前は、株式会社ワンダーリアリティが販売会社)も担っています。
株式会社PRICELESSの所在地にあるのはバーチャルオフィス
住所(大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番24号)をGoogleストリートビューで確認してみると以下の建物が表示されます。
こちらの北白石ビル4階が所在地になっていますが、こちらにあるのは「電話代行大阪」という会社で電話代行やバーチャルオフィス、住所貸しといったサービスを行っている会社ですので、この場所に会社の営業実態はありません。
過去に取り上げた案件の中にも、この住所を会社所在地としている会社が複数ありました。
PHOENIX(フェニックス)開発者、糸島孝俊とは
PHOENIX(フェニックス)の開発者を名乗るのは、糸島孝俊という人物です。

引用元:https://phoenix-itsm.com/blast/lp1/
自称、金融系AIエンジニアで、ファンド運用やシステム開発などを行っており、大手投資会社との取引実績多数とのこと。
大手証券会社との共同開発によって実現した「資産を溶かさずに即金を追求し続ける」世界初の投資アプリケーションが「PHOENIX(フェニックス)」とのことですが、なぜクローズドで限定100名のみの公開なのでしょうか?
大手証券会社が関わっているのであれば、真っ先に自社のサービスとして公開するはずですが、なぜ大々的に展開せず、たった100人に限定するのでしょうか?

まともな証券会社であれば、「損失を出さないで利益を出し続けるシステム」なんて、非現実的なことは言えないよね
メディア掲載実績はウソ?
開発者である「糸島孝俊」のプロフィールには「メディア掲載実績」として、以下なような画像が掲載されています。


引用元:https://phoenix-itsm.com/blast/lp1/
そこで、本当に「糸島孝俊」という人物がメディアに取り上げられているのかを確認するため、「メディア掲載実績サイト」内で氏名検索を行いました。
すると、確かに「糸島孝俊」という名前は検索にヒットしました。
しかし、そこに出てきたのは、掲載画像にある「PHOENIX(フェニックス)」開発者を名乗る人物とは別人でした。
検索結果に表示されたのは、ピクテ・ジャパン株式会社のシニア・ストラテジストである「糸島 孝俊」氏です。


引用元:https://www.pictet.co.jp/featured/pjio/takatoshi-itoshima.html
この方はYouTube動画にも出演されているため、動画も確認しましたが、やはり「PHOENIX(フェニックス)」の開発者を名乗る「糸島孝俊」とは全くの別人でした。
つまり、「PHOENIX」の開発者として紹介されている人物のメディア掲載実績は、別人の情報であるということです。
他人の情報をあたかも自身の情報であるかのように装っているとしたら・・・
このような手法が使われている可能性を考えると、開発者の正体やシステムの信頼性について慎重に検討する必要があるでしょう。
PHOENIX(フェニックス)に登録してみた


セールスページで、メールアドレス・LINE登録した後は、3回にわたり説明動画を視聴し、申込みへと繋がります。
PHOENIX(フェニックス)の動画を視聴してみた
第1話の動画には、開発者「糸島孝俊」を名乗る男性と、インタビューアーの「木戸愛」という女性が登場します。
インタビュアーを務める女性ですが、本名は「木戸愛」ではない可能性があります。
というのも、人物検索を行ったところ、某派遣会社にMC・ナレーター・リポーターとして登録されている、そっくりな女性が見つかったからです。
(参照サイトや本名については伏せます)
この女性は、インタビュアーとして雇われただけで、台本通りにインタビューを行っているだけでしょう。
1話では、PHOENIX(フェニックス)の投資対象やロジックなどは明かされません。
「共同開発した大手証券会社」や「ノミ行為」などの曖昧な説明が行われたり、根拠のないアプリの勝率を見せられるという意味のないもの。
特に「ノミ行為」の説明は中途半端で、全く本質の説明が行われません。
共同開発先の大手証券会社名についても、PHOENIX(フェニックス)契約者のみに伝えるとのことで、最後まで名前を明かされることはありません。
PHOENIX(フェニックス)はバイナリーオプションのトレードシステム
2話目の動画で、PHOENIX(フェニックス)がバイナリーオプションで稼ぐ投資システムであることが判明します。
当ブログでは、何度もバイナリーオプションのリスクについて触れています。
バイナリーオプションは、初心者でも簡単に始められる投資のように見えますが、実はハイリスクな取引です。
バイナリーオプションの利益は、取引業者が支払います。
株やFXのように市場で売買するのではなく、「上がる or 下がる」の二択の結果に応じて業者が配当を行う仕組みです。
このため、「ユーザー vs 業者」の構図になりやすく、ユーザーが勝てば業者の損失、負ければ業者の利益となります。
当然、業者は損をしない仕組みを用意しています。
このような構造上、バイナリーオプションは統計的にユーザーが不利で、長期的には負けやすいといえるのです。
さらに、短時間で結果が出るため依存しやすく、負けが続くと「次こそは」と大金を賭ける心理が働きがちです。
この状態に陥ると、破産に直結するリスクが高まります。
数多くのバイナリーオプションの情報商材がありますが、中には注意が必要なものも数多くあります。
販売者が特定の業者と結託し、「この業者なら特別な条件で勝てる」と勧めながら、実際にはユーザーが不利な環境で取引をすることになるケースもあります。
また、「誰でも簡単に勝てるシステム」と宣伝しておきながら、購入後に何かと理由をつけ、肝心のシステムを渡さずに音信不通になる例も少なくありません。
さらに、「勝率○○%の必勝法」として販売されるノウハウが、単なる一般的な取引ルールの解説に過ぎず、実際にはほとんど役に立たないこともあります。
こうした商材の多くは、ユーザーにとって本当に有益なものかどうかが不透明であり、慎重に判断することが求められます。
ノーベル賞受賞投資理論について
PHOENIX(フェニックス)は、ノーベル賞受賞投資理論の運用アルゴリズムを搭載しているとのフレコミでしたが、3話の動画で、どの「ノーベル賞受賞投資理論」を指しているのか明かされます。
その理論とは、ハリー・マーコウィッツとウィリアム・フォーサイス・シャープの「資産運用の安全性を高めるための一般理論形成」というものです。
彼らの理論は、リスクとリターンの最適なバランスを考えた長期的な資産運用に関するものです。
「PHOENIX(フェニックス)」が掲げる「資産を溶かさずに即金を追求し続ける」というコンセプトは、これらの理論とは真逆の考え方です。
マーコウィッツやシャープの理論は、リスクを分散させながら市場全体の成長を取り込み、安定したリターンを得ることを目的としているため、短期で「即金を追求し続ける」ようなシステムには向いていません。
もしPHOENIX(フェニックス)が、本当に彼らの理論を活用しているのであれば、どのようにそれを実装しているのかを具体的に説明する必要があります。
しかし、動画内でそうした詳細は示されません。
つまり、権威付けのための名前の利用に過ぎない可能性が高いと考えられます。
PHOENIX(フェニックス)の価格は


PHOENIX(フェニックス)を利用するには、「PHOENIX THE REVIVAL(フェニックス・ザ・リバイバル)」というコミュニティに参加する必要があります。
コミュニティ参加価格は、
キャッシュレス・銀行振込一括払い:178,000円(税込)
コミュニティに参加することで、PHOENIX(フェニックス)をスマホにインストールして、スタートボタンをワンタップするだけで、1分毎に利益が倍々になるのだとか・・・
PHOENIX(フェニックス)の総評


PHOENIX(フェニックス)は、「資産を溶かさずに即金を追求し続ける」とうたう投資システムですが、その実態には多くの疑問が残ります。
著名な学者の理論を基にしているとされていますが、実際にはこれらの理論とは真逆のアプローチを取るシステムであるため、理論と実際が一致していません。
販売会社や開発者についても懸念点が多くあります。
最終的な申込みページで、推薦者のコメントが掲載されていますが、これらの推薦者については、すでに検証済みですので、別記事を参照ください。
様々な懸念点を踏まえると、PHOENIX(フェニックス)は、慎重に検討する必要があるシステムだと言えます。
以上、「PHOENIX(フェニックス)」についてでした。