本日取り上げるのは、勝率90%をうたう投資システム「STAR.system(スターシステム)」です。
検証により、危険なオファーであると判断しました。
以下にその詳細をまとめましたので、同様のオファーを受け取った際は、慎重にご判断いただければと思います。
STAR.system(スターシステム) セールスコピー
まずは、セールスページのコピーをピックアップしてみましょう。
引用元:https://present-star.com/
- 今なら高額な初期費用なしですぐに完全無料でスタートできます
- STAR.systemと運用資金10万円を無料プレゼント
- スタートアップ会員にカンタン登録するだけでSTAR.systemアプリを無料で配布
- 勝率は90%初心者でも操作もカンタンなシステム。
- 10万円付きSTAR .systemアプリ無料配布は今だけの特典となります。
「勝率90%」などの高い勝率を謳う投資システムは、信頼に足るものではありません
10万円付きとのことですが、こういったものは10万円を引き出すためにそれ以上の手数料を請求されることがあります。
それにしても、ロゴやカラーが「東京スター銀行」に似ているところが気になる
STAR.system(スターシステム)特定商取引法の表記
続いて、特商法の表記を確認してみましょう。
販売会社 | STAR .Company. |
所在地 | 15/F, Admiralty Centre Tower 1, 18 Harcourt Road, Admiralty |
サイト名 | 1STAR .system |
支払い方法 | 支払い方法 |
報酬引き渡し方法 | 方法:銀行振込 |
会社住所は香港の商業ビルになっています。
海外法人のようですが香港の金融ライセンス(SFC)を検索しても、このような会社の登録はありません。
もし本当に会社が存在するなら、香港の金融ライセンスなしで投資サービスを行っていることになりますが、おそらく存在しない会社ではないでしょうか。
住所のビルには、レンタルオフィスがありますが、適当な住所を拾ってきただけの可能性があります。
また、問い合わせ電話番号どころか、メールアドレスの記載すらありませんので、トラブルが発生しても連絡することも出来ません。
個別LINEでサポートなんて言ってるけど、LINEアカウントなん消えちゃったら連絡取れないからね
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
STAR.system(スターシステム) のサーバー・ドメイン情報
STAR.system(スターシステム)には、複数のドメインが使用されています。
以下、2024年10月8日時点の、それぞれのサーバー・ドメイン情報です。
HYBRID(ハイブリッド)セールスページのドメイン情報
まずは、入口となるLP、セールスページのドメインから
ドメイン | present-star.com |
サーバーIP | 157.7.107.114 |
ISP | GMO Internet,Inc |
ドメイン取得日 | 2024年7月10日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
こちらは、日本国内のサーバーに格納されています。
STAR.system(スターシステム)の投資システムドメイン情報
メールアドレス、LINE登録後、投資システムとして別ドメインのWEBページへ誘導されます。
以下が投資システムのサーバー、ドメイン情報です。
ドメイン | star-systemtool.com |
サーバーIP | 45.138.72.131 |
ISP | Leaseweb Deutschland GmbH |
ドメイン取得日 | 2024年7月10日 |
SSL証明書の種類 | SSL証明書なし |
こちらのサーバーがあるのは、ドイツのフランクフルト。
さらに「Q&A」や「システム利用説明」のページには、別のドメインが使用されています。
ドメイン | star-onsystem.com |
サーバーIP | 66.220.10.10 |
ISP | Hurricane Electric, Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年7月10日 |
SSL証明書の種類 | SSL証明書なし |
こちらのサーバーがあるのはアメリカです。
この「Q&A」や「システム利用説明」のページが格納されているサーバーIPは、以前検証した「パブリックプラスα」という投資システムで使用されていたサーバーIPと一致します。
両オファーは、同じ管理者により運営されていると考えるのが自然です。
上記2つは、どちらも海外サーバーに格納されていますが、ドメインは日本国内の業者で取得されています。
これらは、同じ業者でドメイン取得とサーバー契約が可能であるにもかかわらず、あえて海外サーバーを利用していると考えられます。
これは、法的な追跡や摘発を回避する意図があると推測されます。
STAR.system(スターシステム)のLINEに登録
セールスページにてメールアドレス登録を行った後、「公式」および「サポート」のLINEアカウントへ登録させられます。
これは、1つのアカウントが凍結された際のバックアップ手段として、2つのLINEアカウントを登録させていると考えられます。
「サポート」LINEに登録後、登録メールアドレスをシステムと連携させるような動きがあります
STAR.system(スターシステム)はSSL(暗号化)証明書なし
STAR.system(スターシステム)は、投資システムをうたっていますが、類似案件と同様、システム(という名のWEBページ)は、セキュリティ化されていない状態です。
ご覧のように、システムを格納しているドメイン(star-onsystem.com)は、SSL証明書を取得していません。
以下画面キャプチャは、分かりやすいようにパソコンでアクセスしたものです。
「保護されていない通信」の表示を確認できます。
SSL証明書が取得されていないということは、SSL(Secure Sockets Layer)暗号化が適用されていないことを意味します。
これは、セキュリティリスクを高め、ユーザーのプライバシーやデータの安全性を脅かす可能性があるということです。
投資システムがSSL証明書を取得していないのはありえない話で、非常に危険で怪しいことが分かります。
セキュリティの前に、デザイン、レイアウト的に無いでしょ・・・
STAR.system(スターシステム)は過去検証案件と酷似
ここまでの内容で、STAR.system(スターシステム)が、過去に検証してきた複数の案件と非常に似ていることが分かります。
その案件というのが、以下の案件。
いくつかの商材は、使用サーバーが一致しており、管理者が同じだと考えられます。
これらのオファーは、メールアドレス登録、2つのLINEアカウントの登録、メールアドレスとシステムの連携(実際には連携していない)、システムの作動していないハリボテのシステムページなど、多くの類似点があります。
どれもバイナリーオプションの自動運用システムですが、システムなど存在せず、非セキュリティのハリボテWEBページにユーザーを誘導して、まるで自動運用で資産が増えているように見せかけるものです。
これらのオファーには、何らかの関連性がある可能性を否定できません。
STAR.system(スターシステム) のシステムページはハリボテWEBページ
ここまで類似案件とほぼ同じスキームなので、システムページもある程度中身を予測することが出来ます。
またまたページに埋め込まれたTradingViewのウィジェット
システムへログインして表示されたのが以下のページ。
口座に10万円が用意されており、「BET」ボタンを押すだけで取引が始まり利益が自動で増えていくというものですが、もちろん外部の市場とつながっているわけではありません。
そもそも口座開設を行っていないのに、なぜ投資用口座がすでにあるのでしょうか?
ページ内に表示されている為替のリアルタイム情報やチャートは、類似案件と同じく、TradingView社のウィジェットをページ内に埋め込んでいるだけです。
このウィジェットは、TradingView社の無料高機能ウィジェットで、誰でも自分のサイトやブログに簡単に埋め込んで利用できるものです。
他社が提供する無料サービスを埋め込んで、それっぽいページに仕立てているだけで、投資システムが動いているわけではありません。
しかもこのハリボテページ、デモ版ではなく「ご利用頂く環境は、本番環境です」ってQAページに書いてあるんだよ
いやいや、ありえないでしょ!
リスク警告も全く同じ
ページ下に記載された「リスク警告」も類似案件に記載されていたものと全く同じ文章です。
一言一句そのままです。
バイナリーオプション及び金融派生商品 (デリバティブ) の取引には重大なリスクが伴い、 当初の投資額を失う可能性や、 多くの場合、 当初の投資額を超える損失を被ることもあるため、 損失分を十分に考慮してお取引をする事をお勧めしております。
当社は、マーシャル諸島共和国の事業会社法の規定のもと認可を受けている企業になります。 当ウェブサイト上の商品・サービスは、アメリカやニュージーランド等のオプション取引に対して規制がされている国や地域では、 ご利用が出来ません。
そして当ウェブサイトの情報は、オプション取引の禁止国では、お客様にはご案内できるものではない旨をご理解下さい。暗号資産取引におけるリスクについて十分に理解し、 ご納得なされた上で、お客様のご責任とご判断で暗号資産の取引を行ってください。
引用元:http://star-systemtool.com/
バイナリーオプション取引を行うには、個人情報を提出して取引口座を解説する必要があります。
STAR.system(スターシステム)で口座開設した覚えはありませんが、増えていく利益は誰の口座に入っているというのでしょうか?
リスク警告には、なぜか“マーシャル諸島共和国の事業会社法の規定のもと認可を受けている企業”とありますが、International Registriesで検索しても、マーシャル諸島に、STAR .Company.などという法人は存在しません。
STAR.system(スターシステム) の料金は?
数日間、投資システム(という名のハリボテページ)で運用を続けると、サポートLINEから個人情報や銀行口座情報を登録するように促されます。
これも、類似案件と同じ流れです。
個人情報を登録した後は、“利益を引き出すためには手数料が必要”といった流れになると考えられます。
実際、関連がうかがえる「EAGLE」については、「出金するために20万弱の手数料を支払ったが、入金がない」といったタレコミが当方にも寄せらました。
STAR.system(スターシステム) の総評
管理人の意見としては、全くオススメできません。
STAR.system(スターシステム)は、関連性が疑われる一連の案件と同じグループによるものでしょう。
そもそも、投資をするためには、投資口座を開設する必要があります。
STAR.system(スターシステム)は、投資口座の開設も行っていないのに、利益が増えていきます。
非セキュリティ&口座開設していない投資システムで、投資運用されているわけがありません。
素性もわからない謎の会社、あり得ない投資システムなんて信用してはいけません。
以上、「STAR.system(スターシステム)」についてでした。