本日の観察案件はスマホ1台で副収入を得られる(らしい)「VICTOR」です。
セールスページの冒頭で、いきなり根拠のない「世界初」という表記があったり、「格付」「認証」などといった謎のアピールが気になるところです。
VICTOR セールスコピー
早速、セールスページのコピーを見てみましょう。
引用元:https://official-victor.com/lp/39/
- スマホ1台、1日数分で副収入を実現。
- 世界初・多層構造アルゴリズムAI搭載
- 累計1529名に選ばれた資産運用システム
- 高水準パフォーマンス継続10年間
- 簡易性格付機関最高格付AAA
- 英国ジブラルタル政府認証
AI搭載の資産運用システムでしょうか?
セールスページだけでは、何で稼ぐのか分かりませんね。
「世界初」という最上級表現が使用されていますが、広告等でこういった表現を行う場合、その根拠や基準を客観的かつ明確に示す必要があります。
もちろん、客観的に裏付ける証拠はどこにも提示されていません。
その他にも、「簡易性格付機関」なんていう謎のワードや、「英国ジブラルタル政府」(正しくは英領ジブラルタル自治政府)なんていう曖昧な表記も気になります。
セールスページを見るだけでも、気になるところがたくさんあるね。
VICTOR のサーバー・ドメイン情報
以下、2024年4月22日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | official-victor.com |
サーバーIP | main IP:13.227.62.55 |
ISP | Amazon.com, Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年3月8日 |
SSL証明書 | Amazon |
使用されているサーバーは、Amazonのクラウドサービス。
ドメインは先月取得されたばかりの新しいドメインですが、ISPが同じだったり、ドメインの取得日が同じだったりと、先日取り上げた「神威(KAMUI)」との共通点が見られます。
また、「VICTOR」は、sakai-victor.comという別ドメインでも展開されており、こちらのドメインは、別サーバーで使用されています。
ドメイン | sakai-victor.com |
サーバーIP | 162.43.101.70 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年2月13日 |
SSL証明書 | ドメイン認証(Let’s Encrypt) |
こちらのサーバーには、kamui.websiteというドメインで「神威(KAMUI)」のセールスページも格納されていました。
「VICTOR」と「神威(KAMUI)」に、何らかの繋がりがある可能性は、かなり高いと見られます。
VICTORは、lightn5.com ドメインも使用している
「神威(KAMUI)」と「VICTOR」は、ドメイン取得日や使用サーバーが同じなだけでなく、他にも共通点があります。
なんと、「VICTOR」のセールスページからメールアドレスを登録した後に誘導されるページのドメインは、「lightn5.com」なのです。
「神威(KAMUI)」では、申込みページでこのドメインが使用されていました。
lightn5.comは、当ブログで取り上げた「お宝横流しシステム」「ワールドリユースシステム」「3分マネーアラート」「LINE現金バズーカ」「全自動インサイダーロボ」等でも使用されていたドメインです。
これらの案件は、坂本よしたかとの関係性が伺えるものでした。
更に、セールスページの1つで使用されているドメイン「sakai-victor.com」ですが、こちらのドメイン、登録組織名に、坂本よしたかが創業した「株式会社ライトニングプレミアム」が登録されています。
VICTORも、このグループと何らかの関係があるのでしょうか。
何にせよ、これらの案件との関係性が伺える時点で、VICTORに関わるのは辞めておいたほうがよさそうです。
特定商取引法の表記
「VICTOR」は、最終的に参加費用が発生するのですが、セールスページの「特定商取引法に基づく表記」に記載されているのは、以下の4項目のみです。
販売事業者名 | 株式会社X-Style |
販売事業者所在地 | 東京都港区南青山2-2-15-531 |
代表取締役 | 中村浩規 |
連絡先/TEL | 03-4400-0704 |
無料オファーではありませんので、この内容では不十分です。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
株式会社X-Styleとは?
販売事業社である「株式会社X-Style」は、黒川こうきのNEW PLANET PROJECTの販売会社です。
株式会社X-Style
・法人番号指定年月日 平成28年(2016年)8月4日
・法人番号 5012401031717
・本店又は主たる事務所の所在地 東京都港区南青山2丁目2番15-531号ウィン青山
「NEW PLANET PROJECT」販売時は、所在地が東京都港区赤坂となっていましたが、昨年(2023年)の6月に、現住所へと移転しています。
所在地は、あのウィン青山
移転後の住所は、当ブログでも度々登場する「ウィン青山」です。
所在地(東京都港区南青山二丁目2番15号)にあるウィン青山ビルはバーチャルオフィスですので、この場所での会社運営実態はありません。
国税庁のサイトで、ウィン青山を所在地としている企業を検索すると、数千件という法人がヒットします。
この住所を所在地としているすべての会社が怪しいとは言いませんが、数々の怪しい商材の販売会社が「ウィン青山」を所在地としているのも事実です。
株式会社X-Styleの代表取締役について
特商法の表記では、株式会社X-Styleの代表取締役は「中村浩規」となっています。
代表取締役は「黒川こうき」のはずですが、代表が交代したのでしょうか?
それとも、「中村浩規」は「黒川こうき」の別名でしょうか。
タイムチケットサイトにある、黒川こうきのページでは、株式会社X-Styleの代表取締役と表記されています。
黒川こうきについては、「NEW PLANET PROJECT」の記事でも触れていますが、過去に販売してきた商材の評判があまり良い人物ではありません。
つい最近も、「2タップフィーバー」というブックメーカー(海外のギャンブル)で稼ぐ、商材をオファーしていましたが、こちらも全くおすすめできません。
VICTOR開発者、坂井彰吾とは
セールスページには、VICTORの開発者として、坂井彰吾という人物が登場します。
慶応卒のクオンツアナリストとのことで、金融業界では名が通った実業家だそうです。
クオンツアナリスト(数値データを分析し、市場の動向や投資戦略を理解する専門家)かつ、業界で有名な実業家であれば、検索に引っかかりそうなものですが、ご想像どおり検索してもヒットするのは、「VICTORは怪しい」と指摘するページのみです。
いろいろなワードで、&検索しても、本物のクオンツアナリストの坂井彰吾は、全くヒットしなかったよ。
VICTORに登録してみた
セールスページからメールアドレス、さらに公式LINE登録を行なって、日々送られてくる情報(動画)を確認してみました。
VICTORは、簡易性各付機関SERでAAAを取得?
第1話の動画は40分もの長尺です。
動画内にインタビュアーとして登場するのは三宅裕一という男性。
坂井彰吾とインタビュアーの対談形式でVICTORの説明が行われますが、気になる点がいくつも出てきます。
動画の最初には、株式投資やFXの話や、NISA、IDECOなんて話が出てくるのですが、「VICTOR」はこういったものと異なる資産運用だそうです。
なんでも「簡易性各付機関SER」で最高格付AAAを取得しているんだとか。
簡易性各付機関SERなんて、聞いたこともありませんし、調べたところで全く見つかりません。
簡易性って・・・
VICTORは、LINEに通知が来たら2タップするだけ
何らかの投資運用かと思いましたが、なんとVICTORは、「LINEに通知が来たらトントンと2タップするだけの資産運用システム」なんだとか。
そんな資産運用システムなんて存在すると思います?
坂井彰吾は、「これまで10年間、多くの人がVICTORを使ってきて、LINEがきてからスマホを2タップできなかった人はいなかった」なんて言っていますが、クオンツアナリストという職業が認識されるようになったのも、ここ数年ですし、AIについても同様です。
10年前から「VICTOR」が存在しているというのは本当でしょうか?
実績についても月利45%なんていう、とんでもない利益率が出てきます。
VICTORは、bet365でのスポーツベッティング
2話目の動画で、VICTORが何で報酬を得るのかが明かされます。
稼ぐ方法は、海外ブックメーカ「bet365」で行うスポーツベッティングです。
最近だと、MLBの某通訳で有名になりましたが、スポーツベッティングは、スポーツの勝敗に賭けるスポーツ賭博です。
「英国ジブラルタル政府認証」というワードは、bet365がジブラルタルのライセンスを保有しているということで、VICTORは無関係です。
「英国ジブラルタル政府認証」って、bet365のことだったんだね。
正しくは「英領ジブラルタル政府」ね。
つまり、LINEに「〇〇に賭けろ」という指示が来るので、そのとおりに賭ければ儲かる。
というのが「VICTOR」の仕組みです。
「VICTOR」は、いわゆる予想屋ってことですね。
その予想が、優秀なクオンツアナリストが開発したAIシステムではじき出されているというわけです(笑
「VICTOR」の稼ぐカラクリですが、黒川こうきの「2タップフィーバー」とほぼ同じなんですよね。
やっぱり、何らかの関係性ありそうな気がしますが、どうなんでしょう?
海外のブックメーカー利用は、違法、合法など様々な意見がありますが、法整備がなされていない現在は、グレーゾーンと言えます。
VICTORの価格は?
VICTORを利用するためには、VICTORプレミアムメンバーズへ参加する必要があります。
そしてその価格は
198,000円(税込)
通常価格248,000円が特別価格でこの価格とのこと。
「VICTOR」は、スマホやPCにシステムを導入するわけではなく、単純にLINEに通知が届くだけです。
LINE通知の背後に、本当にAI予測システムが存在するか怪しいところです。
この金額を支払ったところで、スポーツベッティングで本当に勝てる情報が届くかは、大いに疑問です。
VICTORの口コミ・レビュー
検索しても、実際に「VICTOR」を購入した方の口コミは発見できませんでした。
「神威(KAMUI)」と同様に、「VICTOR」の動画内には、参加者を名乗る人達のインタビューが収録されていますが、信ぴょう性はゼロです。
ランサーズ等で、こういった動画への出演募集と見られるオファーを見かけますが、こういった動画へのサクラ出演は、違法行為の片棒を担ぐことになりかねません。
不特定多数が閲覧することになる動画に出演することの危険性を十分に認識すべきです。
VICTORの総評
言うまでもありませんが「VICTOR」は、オススメしません。
AIシステムが本当に存在しているとは思えませんし、関連性が伺える商材や、販売会社などを見ても、関わらないほうがいい商材でしょう。
ネットを通したスポーツベッティングについては、現在のところ日本国内での検挙例はありませんが、同様の仕組みである「海外のオンラインカジノ」の利用については、検挙例があります。
スポーツベッティングも、今後オンラインカジノと同様に取り扱われる可能性もあるでしょう。
以上、「VICTOR」についてでした。