本日検証していくのは、自動トレーディングシステム「Personal」です。
検証の結果、仕組みや実態に疑問を感じる点が複数見つかりました。
その中でも特に気になったポイントを中心に、まとめていきます。
Personal セールスコピー
まずは、セールスページの主なコピーです。
引用元:https://personal-spoffer.jp/
- 専門家も推奨!安心の全自動投資
- シニア世代ご利用満足度No.1
- 本日中に無料モニターご登録完了で
導入費用250,000円→0円- 無料モニター参加で運用資金プレゼント▶即日10万円
- 結果を出すために必要な作業はスマホを1回タップするだけ
「Personal」という自動投資システムのモニター募集です。
通常25万円もするという高額なシステムが、今ならモニターに限り、完全無料。
しかも、10万円分の運用資金までもらえるという、まるで夢のような話ですが、そんな都合の良い話はありません。
「専門家推奨」「満足度No.1」という根拠のない広告表現
「Personal」は専門家が推奨しているとのことですが、何の専門家なのか、誰なのかといった、大事なことには一切触れていません。
おそらく、そんな専門家なんていないでしょう。
「シニア世代ご利用満足度No.1」についても、誰がいつ、どのように調べたかといった出典はありません。
こういった根拠のない不当表示は、景品表示法違反にあたります。
ページ内には、この他にも問題があると思われる表現が散見されます。
Personal サーバー・ドメイン情報
以下、2025年6月1日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | personal-spoffer.jp |
サーバーIP | 85.131.207.159 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2025年4月3日 |
ドメイン取得は2ヶ月前。
公開から間もないページのようです。
Personal 特定商取引法の表記
セールスページ下には、「プライバシーポリシー」「特商法に基づく記載」というメニュー項目がありますが、クリックしてもリンク先が存在しません。
無料モニターといえど、投資システムを提供するわけですから、これらのリンクは利用者の信頼性判断に関わる重要な情報です。
リンク切れのまま放置されているというのは、運営者のいいかげんさが現れています。
特に「特定商取引法に基づく表記」は法律で義務付けられている項目であり、未掲載であれば法令違反にあたります。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
Personal 無料モニターに登録してみた

セールスページを見るだけで、このシステムに関わらないほうがいいことは明らかですが、一応、確認のためモニター登録を行ってみました。
メール登録後に送られてきたシステムのURLは、セールスページで使用されていたものとは異なります。
ドメイン | personal-tool.jp |
サーバーIP | 213.183.45.160 |
ISP | Melbikomas UAB |
ドメイン取得日 | 2025年4月3日 |
SSL証明書 | 証明書なし |
サーバーがあるのは、ロシア、モスクワです。
もちろん、海外サーバーを利用するのが悪いということではありませんが、日本人向けの金融システムを、あえて海外(ロシア)のサーバーに格納しているということは、法的リスクの回避(日本の法律の及ぶ範囲外にサーバーを置くことで、法的な追及を回避しやすくなる)、匿名性の確保(身元や所在地を隠しやすくなる)などを目的としている可能性があります。
しかも、投資システムをうたいながら、誘導先のページは暗号化(SSL化)されていません。
投資システムは、運用など行っていないハリボテサイト
システムログイン後に表示される画面は以下のような構成です。

引用元:http://personal-tool.jp/
すでに10万円が入金されており、「START」ボタンを押すと、同じテンポで数字が増えていくという単純な作りです。
下にある、ティッカーや、為替チャートは、誰でも使えるTradingView社の無料ウィジェットを埋め込んでいるだけです。
ページを構成しているHTMLソースを読むと、Personalが一切外部の市場とつながっていないことは明白です。
Personalは、他のシステムにそっくり
Personalは、過去に検証してきた複数の案件と非常に似ています。
これらは、単純な仕組みの投資システム(風)インターフェイス、TradingViewの無料ウィジェット埋め込み、全く同じ「警告リスク」文章、海外のサーバーを利用など、たくさんの共通点を持っています。
確証はありませんが、これらの商材の運営元は同じなのかもしれません。
Personalの総評

こんなシステムで資産運用をしたところで、お金が増えることはありえません。
投資システムの画面上では、あたかも利益が出ているかのように金額が表示されていますが、それはあくまで見せかけにすぎません。
つまり、ユーザーに「儲かっている」という錯覚を与えるために作られた演出に過ぎないわけですから、このような投資システム(もどき)に、大切な資金を預けてしまえば、最終的に損をするのは自分自身でしょう。
増えた資産を出金する段階になれば、出金のための手数料を請求されたり、投資金の入金をすすめられることになるのではないかと思います。
簡単に信じてしまうのではなく、このような「うまい話」には裏があるものだということを、忘れないでください。
以上、「Personal」についてでした。