本日の観察商材は、投資システムのモニター募集「folio(フォリオシステム)」です。
最先端AIが自動的に投資取引を行ってくれるようですが、過去に取り上げた案件と類似点が見られましたので、注意が必要なオファーです。
folio(フォリオシステム) セールスコピー
まずは、セールスページの気になるコピーを拾ってみます。
引用元:https://surprise-folio.jp/
- 第2次、フォリオモニター会員様200名様限定の追加募集となります!!
- 初期費用、手数料も全て無料!
- 操作はボタンを押していただくだけ!
- 驚異の勝率90%超え。
- 最先端AIが自動的に最適な投資取引を行いますのでご安心いただいて、フォリオシステムをお試しください。
う〜ん、注意すべきワードがたくさん並んでるなぁ
フォリオシステムなる、AI投資システムのモニター2次募集のようですが、本当に1次募集なんてあったのでしょうか?
頻繁に副業情報を調査していますが、folio(フォリオシステム)1次募集なんて見かけたことはないんですよね〜。
folio(フォリオシステム) は他社の商品に似せたもの?
フォリオシステムですが、他社の商品に似ている部分があります。
以下は、フォリオシステムのセールスページおよびシステムページに表示されているfolioのロゴです。
そして、以下のキャプチャは、「AI投資ROBOPRO」や「おまかせ投資」というロボアドバイザーを提供する証券会社「FOLIO」のサイトです。
よく見るとロゴに使用しているフォントは異なりますが、ぱっと見、同じようにも見えます。
また、AIを使った投資システムなどの共通点があることから、株式会社FOLIOの商品と勘違いしてしまう人もいそうです。
folio(フォリオシステム)と、株式会社FOLIOは全く関係のない会社です。
株式会社FOLIOは、金融商品取引業の許可を受けた国内の会社ですし、提供しているAIシステムアプリも、GoogleストアやApp Storeに正式に承認されています。
また同社のサイトでは、FOLIOを語る悪質な行為に関する注意喚起が行われています。
folio(フォリオシステム)が、あえて似せたのか、それとも偶然なのかは分かりません。
まともな会社であれば、商品をリリースする際に自社商品が他社の特許権や商標権を侵害していないかを確認するはずです。
確認をおこなっていれば、こんなことにはならないと思うのですが・・・
確認を怠っているということであれば、folio(フォリオシステム)の信頼性は低いと言わざるを得ません。
う〜ん、実在する会社だと勘違いさせようとしてるのかな?
folio(フォリオシステム) のサーバー・ドメイン情報から分かること
以下、2024年6月9日時点のサーバー・ドメイン情報です。
folio(フォリオシステム)セールスページのドメイン情報
まずは、セールスページのドメイン
ドメイン | surprise-folio.jp |
サーバーIP | 118.27.125.236 |
ISP | GMO Internet,Inc |
ドメイン取得日 | 2024年3月5日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
そして、別アドレスでもセールスページを見つけましたので、そちらのドメイン情報も確認してみました。
ドメイン | present-folio.jp |
サーバーIP | 118.27.125.236 |
ISP | GMO Internet,Inc |
ドメイン取得日 | 2024年3月5日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
いずれのドメインも、同日にドメインを取得し、同じサーバー内にページが格納されています。
各ドメインの登録情報を確認してみたところ、Xserverでドメイン取得、ロリポップ!レンタルサーバー(GMO傘下)にページが格納されていることが分かります。
登録者名は、いずれも「齋藤永子(Nagako Saitoh)」という個人名です。
後ほど触れますが、folioの運営会社は、海外法人を名乗っています。
しかしながら、セールスページのドメイン取得先と格納サーバーは、いずれも国内の業者を利用していることが分かります。
folio(フォリオシステム)のAIシステムドメイン情報
メールアドレス、LINE登録後に誘導されるフォリオシステム本体ですが、こちらは別ドメインのWEBページに誘導されます。
ドメイン | folio-tool.jp |
サーバーIP | 84.54.37.74 |
ISP | LLC CloudSol |
ドメイン取得日 | 2024年3月5日 |
SSL証明書の種類 | SSL証明書なし |
AI搭載をうたう最新システムである「フォリオシステム」が格納されているのはロシアのモスクワにあるサーバー。
こちらのドメイン取得者名は「藤原圭(Kei Fujiwara)」
セールスページは、国内サーバーを利用しているのに、肝心のシステム部分は、わざわざ海外のサーバーを利用しています。
もし何らかの被害が発生して、被害者が法的手段を訴えようとしても、海外サーバーであることで追求は難しくなります。
これでは、身元の秘匿や、日本の法律や規制から逃れるために肝心のシステム部分を海外サーバーに格納しているのではないかと思われても仕方がないでしょう。
国外サーバーで運用されている時点で、注意が必要だよ。
folio(フォリオシステム)はSSL(暗号化)証明書なし
folio(フォリオシステム)は、AIを搭載した最新の投資システムが稼働しているはずなのに、驚くことにセキュリティ化されていない状態です。
ご覧のように、システムを格納しているドメイン(folio-tool.jp)は、SSL証明書を取得していません。
SSL証明書が取得されていないということは、SSL(Secure Sockets Layer)暗号化が適用されていないことを意味します。
これは、セキュリティリスクを高め、ユーザーのプライバシーやデータの安全性を脅かす可能性があるということです。
昨今では、個人ブログですらSSL化されている状況です。
最新のAIを搭載したはずの金融係サイトがSSL証明書を取得していない時点で、非常に危険で怪しいことが分かります。
folio(フォリオシステム)はEAGLE・FOX・パブリックプラスαと似ている?
ここまでの検証で、folio(フォリオシステム)と過去に取り上げた案件との共通点が浮かび上がってきます。
その案件というのが、以下の3案件。
どれもバイナリーオプションの自動売買、自動運用システムですが、システムとは名ばかり、それっぽいWEBサイトにユーザーを誘導して、まるで自動運用で資産が増えているように見せかけるものでした。
folio(フォリオシステム)は、上記3案件と非常に似ています。
- 複数のjpドメインを取得
- ドメイン取得業者が同じ
- 使用している国内サーバISPが同じ
- システム部分を海外サーバーに格納
- いずれも自動投資システムのオファー
といったように、共通点がたくさん見受けられます。
確証はありませんが、これらのオファーに何らかの繋がりがある可能性は否定できません。
特定商取引法の表記
続いて、特商法の表記を確認してみましょう。
販売会社 | folio Co. Ltd. |
代表取締役 | 手塚 久典 |
サイト名 | フォリオ.JP |
報酬引き渡し方法 | 方法:銀行振込 |
会社名は記載されているのに、肝心の連絡先や住所は未記載です。
特商法の表記として不十分なため、注意が必要です。
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
folio(フォリオシステム) に登録してみた
セールスページからメールアドレスの登録を行ってみましたが、システムへ誘導されるまでの流れも、FOX、EAGLE、パブリックプラスαと全く同じです。
【公式】LINEアカウント、サポートセンターLINEへ登録させられ、さらにLINEとシステム(WEBページ)を連携させるというものです。
folio(フォリオシステム)のWEBページへアクセス
LINE連携等が完了するとシステムへの案内が届きます。
案内されるのはSSL化(セキュリティ化)されていないWEBページ。
登録メールアドレスと共通パスワードでログインします。
金融システムで、全てのユーザーが共通パスワードを使うなんてありえない話だよ。
ログインすると、はじめから10万円の運用資金が用意されており、STARTボタンをクリックすると、合計利益がどんどん加算されます。
ページに埋め込まれたTradingViewのウィジェット
ページ下部に表示されているのは、ビットコイン/米ドル、仮想通貨のリアルタイム情報です。
これも、FOX、EAGLE、パブリックプラスαと同じ、TradingView社の高機能ウィジェットをページ内に埋め込んでいるだけです。
これらは、TradingView社の無料高機能ウィジェットで、誰でも自分のサイトやブログに簡単に埋め込みができるもので、folio(フォリオシステム)が独自に開発したとか、そういったものではありません。
他社が提供する無料サービスを埋め込んで、それっぽいページに仕立てているだけで、AI搭載のシステムが動いている証拠はどこにもありません。
自分たちで作ったプログラムは、ページ上部の合計利益がどんどん増えている(ように見える)部分だけだね。
リスク警告も全く同じ
ページ下に記載された「リスク警告」は、FOX、EAGLE、パブリックプラスαに記載されていたものと全く同じ文章です。
バイナリーオプション及び金融派生商品 (デリバティブ) の取引には重大なリスクが伴い、 当初の投資額を失う可能性や、 多くの場合、 当初の投資額を超える損失を被ることもあるため、 損失分を十分に考慮してお取引をする事をお勧めしております。
当社は、マーシャル諸島共和国の事業会社法の規定のもと認可を受けている企業になります。 当ウェブサイト上の商品・サービスは、アメリカやニュージーランド等のオプション取引に対して規制がされている国や地域では、 ご利用が出来ません。
そして当ウェブサイトの情報は、オプション取引の禁止国では、お客様にはご案内できるものではない旨をご理解下さい。暗号資産取引におけるリスクについて十分に理解し、 ご納得なされた上で、お客様のご責任とご判断で暗号資産の取引を行ってください。
引用元:http://folio-tool.jp/
バイナリーオプションということですが、一体積み上がった金額はどこの投資口座にあるのでしょうか?
口座開設していませんので、誰か別人の口座に利益が入っていることになりますよね。
リスク警告を読むと、folio Co. Ltd.は、“マーシャル諸島共和国の事業会社法の規定のもと認可を受けている企業”だそうです。
マーシャル諸島共和国に代わってマーシャル諸島の企業登録を管理しているInternational Registries, Incのサイトで法人検索をかけてみました。
マーシャル諸島では、folio Co. Ltd.という法人は認可されていないようです。
folio(フォリオシステム) の料金は?
一定期間、自動運用を続けると、サポートLINEから個人情報や銀行口座情報を登録するように促されます。
おそらく個人情報を登録した後、“利益を引き出すためには手数料が必要”なんてことになりそうですが、怪しい業者に口座情報を教えるつもりはないので、検証はここまでです。
folio(フォリオシステム) の総評
管理人の意見としては、全くオススメできません。
調査結果を見ていただければ、怪しい点が多いことはおわかりいただけるかと思います。
こんなシステムで投資運用なんてありえませんから。
投資を始めるなら、信頼できる取引プラットフォームや投資サービスを選択しましょう。
以上、「folio(フォリオシステム)」についてでした。