本日検証していくのは、ATS Co., Ltd.の投資システム「Auto Trading Service」です。
過去に取り上げた案件との類似点が多く、おそらく同じ組織によるオファーだと考えられます。
Auto Trading Service セールスコピー
まずは、セールスページの主なコピーをピックアップしてみます。
引用元:https://autoai-offer.com/
- 最先端AIアルゴリズム搭載で市場最速の資産増加を実現
- 全自動で月平均利益300万Over!!
- あらゆる壁をすべて排除あなたはただ1TAPで起動するだけ!
- 運用資金として30万円を贈呈!
- たったのワンタップで平均利益300万円を毎月自動で生み出す
根拠や実績の提示がないまま「最先端」「市場最速」といった曖昧で誇張的な言葉を多用しています。
何の裏付けも提示されておらず、キャッチーなだけで、信頼性は低いといえるでしょう。
「全自動で月平均利益300万Over!!」や「ワンタップで平均利益300万円」という表現も、投資において現実離れした表現です。
金融商品取引法などの規制下では、このように確定的な利益を保証する宣伝は問題視されており、リスクを理解している人であれば、この時点で信用に値しないと感じるはずです。
Auto Trading Service サーバー・ドメイン情報
以下、2025年9月6日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | autoai-offer.com |
サーバーIP | 85.131.209.105 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2025年7月25日 |
ドメインレジストラ | Netowl, Inc. |
ドメインが取得されたのは、7月25日ですので、ドメイン取得から2ヶ月も経っていないことになります。
Auto Trading Service 特定商取引法の表記
セールスページには特商法の表記がありませんが、メール登録後に表示されるページには、特商法の表記が記載されています。
会社名 | ATS Co., Ltd. |
代表者名 | Kensuke Kobayashi |
メールアドレス | inf0@autoai-system.com |
所在地 | LEVEL 7, NAN FUNG TOWER, 88 CONNAUGHT ROAD CENTRAL |
会社所在地は、香港のビジネスビルですが、会社名と住所で検索しても「ATS Co., Ltd.」という会社はヒットしません。
おそらく、存在しない法人である可能性が高いと思われます。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
Auto Trading Service にメール登録してみた

セールスページを見るだけで、このシステムに関わらないほうがいいことは明らかなのですが、確認のためメール登録を行ってみました。
メール登録後に表示されるページURLは、セールスページで使用されていたものとは異なります。
ドメイン | autoai-system.com |
サーバーIP | 103.246.177.245 |
ISP | New Century InfoComm Tech Co., Ltd. |
ドメイン取得日 | 2025年7月25日 |
ドメインレジストラ | Netowl, Inc. |
SSL証明書 | 証明書なし |
こちらのドメインも取得日はセールスページのドメイン取得日と同じです。
そして、使用サーバーがあるのは、台湾です。
さらに、サーバーIPは、「AI Brain」で使用されていたサーバーIPと一致しています。
投資システムのサイトでは、さらに別のドメインが使用されています。
ドメイン | autoai-tool.com |
サーバーIP | 193.232.179.177 |
ISP | New Century InfoComm Tech Co., Ltd. |
ドメイン取得日 | 2025年7月25日 |
ドメインレジストラ | Netowl, Inc. |
SSL証明書 | 証明書なし |
「Auto Trading Service」は、関連のうかがえる複数サイトと同様、投資システムをうたっていながら、肝心のシステムページは暗号化(SSL化)されていません。
SSL化されていないページというのは、入力した個人情報やログイン情報、さらには資金決済に関わるデータまでもが第三者に盗み見られる可能性がある状態を意味します。
通常、金融取引を扱うサービスであれば、最優先でセキュリティ対策を施すのが当然です。
それを怠っている時点で、利用者の安全を考えていないか、もしくはそもそも実体のない「見せかけのシステム」である可能性が高いといえます。
投資システムサイトは、単なるハリボテサイト
案内されるシステムサイトは、登録メールアアドレスと共通パスワードでログインできてしまう簡易的な作りです。
非SSL化もありえませんが、全員共通パスワードでログインできるシステムなんてものも、まともなサービスとは到底言えません。
そして、ログイン後のサイトは、関連が疑われるサイトに酷似した作りです。

引用元:http://autoai-tool.com/
すでに30万円が入金されており、「START」ボタンを押すと、残高が増えていくという単純な作りです。
下部に表示されている、ティッカーや、チャート、ヒートマップは、誰でも使えるTradingView社の無料ウィジェットを埋め込んでいるだけで、何かの投資が行われているというわけではありません。
ページを構成しているHTMLソースを読むと、一切外部の市場とつながっていないことは明白です。
Auto Trading Serviceは、おそらく過去検証案件と関係がある
Auto Trading Serviceは、過去に検証してきた複数の案件と非常に似ています。
これらの案件は、単純な仕組みの投資システム(風)インターフェイスで、TradingViewの無料ウィジェット埋め込んで、それっぽい体裁を保っているものばかりです。
HTMLソースを見ると、市場とつながっているような様子は全くなく、擬似的に金額が増える演出が行われてているだけです。
確証はありませんが、これらの商材の運営元は同じ可能性が高いと考えられます。
上記の検証記事を読んでいただければ、非常に似ていることがお分かりいただけると思います。
Auto Trading Serviceの総評

デモシステム登録したところで、本当にお金が増えることはありえません。
投資システムに表示されている画面は、一見すると資金が増えているように見えます。
しかし、そこで映し出されている数字は実際の取引結果ではなく、あらかじめ仕組まれた演出にすぎません。
利用者に「儲かっている」と思わせるための仕掛けであり、事実とはまったく異なるのです。
数日後、出金の段階になれば、「手数料を支払えば引き出せる」といった案内がなされるのが典型的な流れです。
手数料を払ったとしても送金は一切行われず、場合によっては追加費用を次々と請求されるケースもあります。
結果として失うのはお金だけではありません。
登録した個人情報も、第三者に悪用されるリスクを背負うことになります。
以上、「Auto Trading Service」についてでした。