本日取り上げるのは、スマートフォン対応資産運用システム「神威(KAMUI)」です。
なんでも、シニア層の利用が多い資産運用システムだそうで・・・
神威(KAMUI) セールスコピー
まずは、セールスページのコピーをピックアップしてみます。
引用元:https://kamui-official.com/lp/3/
- スマートフォン対応 資産運用-神威(KAMUI)-
- シニア層利用率 満足度No.1
- 神威のボタンは人生を変えるボタンです。
スマートフォンで行う資産運用のようですが、ページからは投資対象が何であるかは分かりません。
「シニア層利用率 満足度No.1」という表記がありますが、No.1などの最上級表現を広告で使用する場合、その根拠や基準を客観的かつ明確に示す必要があります。
ページ内を確認しても、No.1を客観的に裏付ける証拠は提示されていません。
正しい広告表現が行われていない時点で、注意が必要だと言えるでしょう。
神威(KAMUI)のサーバー・ドメイン情報
以下、2024年4月19日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | kamui-official.com |
サーバーIP | main IP:13.249.160.83 |
ISP | Amazon.com, Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年3月8日 |
SSL証明書 | Amazon |
使用されているサーバーは、Amazonのクラウドサービスです。
ドメインは先月取得されたばかりの新しいドメインです。
ちなみに、神威(KAMUI)は、昨年末頃に別のセールスページが公開されており、こちらのURL(https://kamui.website/lp/lp1/)は、上記とは別になります。
ドメイン | kamui.website |
サーバーIP | 162.43.101.70 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2023年12月14日 |
SSL証明書 | ドメイン認証(Let’s Encrypt) |
神威(KAMUI)は、lightn5.comも使用している
さらに、神威(KAMUI)申込みページでは、見覚えのある“あのドメイン”が使用されています。
そのドメインとは、「lightn5.com」
lightn5.comといえば、当ブログでも検証してきた「お宝横流しシステム」「ワールドリユースシステム」「3分マネーアラート」「LINE現金バズーカ」「全自動インサイダーロボ」等々、坂本よしたかと関係がありそうな商材のセールスページに利用されているドメインです。
神威(KAMUI)も、このグループと何らかの関係があるのかもしれませんね。
特定商取引法の表記
セールスページの「特定商取引法に基づく表記」に記載されているのは、以下の4項目のみ。
販売事業者名 | 株式会社ワンダーリアリティ |
販売事業者所在地 | 〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番24号M412号 |
代表取締役 | 田中康裕 |
連絡先/TEL | 072-200-3056 |
この住所には見覚えがあるよ。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
株式会社ワンダーリアリティとは?
販売会社である「株式会社ワンダーリアリティ」について調べてみました。
株式会社ワンダーリアリティ
・法人番号指定年月日 令和元年(2019年)11月1日
・法人番号 5010701038408
・本店又は主たる事務所の所在地 大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番24号M412号室
公式サイト(https://wonder-reality.com/)を確認してみると、映像制作やWEBマーケティング等を行なっているようですが、1ページで構成された簡素なページのため、具体的な業務内容や実績を確認することはできません。
株式会社ワンダーリアリティの所在地は?
特商法に表記された住所(大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番24号)をGoogleストリートビューで確認してみると以下の建物が表示されます。
こちらの北白石ビル4階が所在地になっていますが、こちらにあるのは「電話代行大阪」という会社で電話代行やバーチャルオフィス、住所貸しといったサービスを行っている会社ですので、この場所に会社の営業実態はありません。
「株式会社ワンダーリアリティ」は、設立から2度の住所変更を行なっています。
東京都品川区東五反田2丁目9-1-2307
大阪府堺市北区新金岡町4丁6番23棟309号
大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番24号M412号室
現在のバーチャルオフィスへ移転する前は、大阪府の公営団地が会社住所となっていました。
株式会社ワンダーリアリティは、全自動インサイダーロボの販売元
以前取り上げたNOBUの「全自動インサイダーロボ」の運営元が、この「株式会社ワンダーリアリティ」です。
「全自動インサイダーロボ」は、証券会社からのインサイダー情報を得て、バイナリーオプションの自動売買を行うという、トンデモ設定の商材でした。
また、「株式会社ワンダーリアリティ」のバーチャルオフィス住所には、NOBUの「カンニングオート」の販売元である「合同会社フロンティア」という会社も入居しています。
そして「カンニングオート」の特商法に記された運営者は、本商材の運営者と同じ田中康裕という人物です。
「lightn5.com」ドメインの件もありますので、「株式会社ワンダーリアリティ」と「合同会社フロンティア」には、何らかの関係があると見るのが自然ではないでしょうか。
どちらの商材も、稼げるとは思えない内容だったよね。
神威(KAMUI)プロジェクト発起人、武田勇吾とは
神威(KAMUI)の開発者を名乗る武田勇吾とは、どんな人物でしょうか。
セールスページによると、金融系システム開発の専門家として大手証券会社や金融業界でAIシステムを提供してきた金融エンジニアとのこと。
なんでも、すべての投資ジャンルに精通しているんだとか。
「武田勇吾 エンジニア」で検索しても、プロフィールを裏付けるものは発見できなかったよ。
神威(KAMUI)に登録してみた
公式LINEに登録して「神威(KAMUI)」の内容を確認してみました。
LINE登録から数日にわたって配信される動画を視聴してみましたが、とても稼げるようなものだとは思えない内容でした。
インタビュアーは大森淳弘
動画内にインタビュアーとして登場するのは大森淳弘。
神威(KAMUI)と、何らかの関係性がうかがえる商材(全自動インサイダーロボ、1分リッチLINEアラート、全自動10秒錬金ロボ、おまかせ資産ブースターetc)の動画内でもインタビュアーを務めていた人物ですが、ある意味有名な人物です。
自身も情報商材販売を行っていますが、過去に販売していた商材については、以下のような書き込みも見られます。
バカ売れしている商品をAmazonで独占販売できる権利ということで108万円とその他月々2万円の会員費を支払っていますが、ほとんど売れません。
引用元:https://classactionjapan.net/forums/topic/大森淳弘/
在庫がアホみたいに残っており、説明会で聞かされた話と全く違います。
matomaで、集団訴訟のプロジェクトが立ち上がっていた「加藤浩二の一攫千金プロジェクト」でインタビュアーを務めていたのも、この大森淳弘。
こいつが出てきた時点でアウト。
引用元:https://money-police.com/okuribito-japan2019/
よく考えてもみなよ。
本当に儲かる話があるならこんなインタビュアーなんてやってないで自分で儲けてるわな。
大森淳弘は、様々な情報商材オファーを行なっていますが、正直、この人が出てきたら気をつけたほうがいいです。
証券会社の説明がデタラメ
第1話の動画で、証券会社について、とんでもない説明が行われます。
それは「証券会社は投資家が勝てば勝つほど儲からない、投資家が負ければ負けるほど儲かる」というもの。
何言ってんですかね?
“株でもFXでも暗号通貨でも、投資で負けた場合、各市場へ発注する手数料を差し引いて、投資家が投資しした金額がそっくりそのまま証券会社の懐に入る。証券会社は、いわゆる呑行為(ノミ行為)を合法的に行なっている。”
なんていう、とんでもない説明が展開されます。
呑行為とは、証券会社が、市場に売買注文を取り次がずに、証券会社自身が相手方となって売買を成立させることですが、これは日本証券業協会の「協会員の従業員に関する規則」で明確に禁止されている行為です。
証券会社は一般的に、取引手数料や手数料収入などを通じて取引の利益を得ます。
投資家が勝とうが負けようが、証券会社の利益に直接的な影響を与えることはありません。
真っ当な証券会社であれば、信頼性を損なうような呑行為を、わざわざする筈がないわけです。
武田勇吾いわく、神威(KAMUI)は、証券会社のシステムをひっくり返してしまうような、もの凄いシステムらしいです。
神威(KAMUI)はバイナリーオプション自動売買システム
2話では、神威(KAMUI)がバイナリーオプションの自動売買であることが明かされます。
バイナリーオプションは、「上がるか、下がるか」を予想するものですので、投資の側面よりギャンブルの側面が強いものです。
呑行為の話があったので、株やFXかと思いきやバイナリーオプションとは・・・
バイナリーオプションは、株やFXのように、顧客の注文を流すわけではなく、顧客の予想が当たれば配当を配る・ハズレれば掛け金を巻き上げる「カジノ方式」なわけですから、呑行為云々という話ではありません。
なんで呑行為の話したんだか?
神威(KAMUI)の価格は?
神威(KAMUI)を手に入れるためには、神威プレミアムメンバーシップへ加入することになるのですが、その価格は
198,000円(税込)
通常価格248,000円のところ一括払い特別価格とのこと。(分割払いあり)
通常価格と特別価格を併記することは、いわゆる二重価格表示と言われるものです。
この二重価格表示ですが、通常価格での販売実績が極めて乏しかったり、実態のない価格表示だった場合、景品表示法の有利誤認表示に該当します。
果たして神威(KAMUI)には、それなりの販売実績が存在しているのでしょうか?
神威(KAMUI)の口コミ・レビュー
検索しても、実際に神威(KAMUI)を購入した方の口コミは発見できませんでした。
神威(KAMUI)の動画内に、実践者として数名のインタビューが公開されていますが、販売者発信の動画なので、信ぴょう性はありません。
副業募集サイトで、こういった動画への出演募集と見られるオファーをチラホラ見かけますが、こういった動画へのサクラ出演は、違法行為の片棒を担ぐことになりかねませんので、注意しましょう。
神威(KAMUI)の総評
言うまでもありませんが、今回の商材もオススメしません。
費用を支払って参加したところで、システムがきちんと作動するかも怪しいところです。
むしろシステムがインストールされずに終わる可能性すらあります。
稼ぐ方法もバイナリーオプションですし、初心者は手を出さないほうが無難です。
あと、バイナリーオプションが何かすらよく分かっていない人は、バイナリーオプション始めちゃダメです。
株にせよFXにせよ、最低限のことは勉強してから始めましょう。
以上、「神威(KAMUI)」についてでした。