本日観察するのは、なぜか公式を名乗る「公式FinTech」なる商材です。
なにをもって「公式」を名乗っているのか?
名称からして怪しさ全開です。
公式FinTech セールスコピー
それでは早速、セールスページのコピーをピックアップしてみます。
引用元:https://fintech-1.com/ksfafds/syukyaku/
- 協賛企業300社 最新テクノロジー×投資
- 公式FinTech【完全招待制】
- 今なら口座開設で5万円プレゼント中
Fintechは「financial technology(金融技術)」のことですが、その「公式」とは何でしょうか。
しかも招待制らしく、セールスページからは何で収入を得るのか分かりません。
Fintech(フィンテック)とは、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、従来の金融サービスと技術を組み合わせた領域のことです。特に、IT企業と金融機関が連携・協働しながら金融サービスを提供することを指す場合が多く、Fintechは利用者にとって身近なものになりつつあります。
参照元:https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-g/9795/
公式FinTechのサーバー・ドメイン情報
以下、2024年5月1日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | fintech-1.com |
サーバーIP | 202.254.236.161 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年3月8日 |
SSL証明書発行元 | ドメイン認証(Let’s Encrypt) |
ドメイン取得は、今年の3月ですので、ページ公開から2ヶ月も経っていないことが分かります。
さらに、このサーバーIPは、取り上げ済みの商材と同じサーバーIPです。
公式FinTechは、世界の銀行やWealth Bankと同じ
「公式FinTech」のページが格納されているのは、「世界の銀行」「Wealth Bank」「Asset」と同じサーバーです。
これらはどれも「安っぽいページや動画」「特商法表記が無い」「ハリボテの会員サイト」といった類似点があり、同じフォーマットで似たような商材を量産していると考えられます。
特定商取引法の表記
ページのどこにも、特商法に関する表記やプライバシーポリシーは見当たりません。
メールアドレス登録後に、参加費用が明かされるのですが、最後まで「特商法の表記」は提示されません。
運営者も連絡先も不明ですので、問い合わせすらできない状態です。
料金が発生するのに特商法の記載がない時点で、注意が必要です。
特商法が記載されていても内容が怪しいことも多いけど、不記載は言語道断だよ。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
公式FinTechにメール登録してみた
メールアドレス登録後は、関係性が伺える商材と同じ流れです。
LINE登録 → 2本の動画を視聴 → 体験版サイトへ誘導 → 正規版への移行に料金が発生
といった具合です。
送られてくる動画は低クオリティで、内容もあまりにも陳腐です。
だいたい、「富裕層にしか広まっていない」「トップの投資家が代わりに資産運用を行う」「運用資金5万円プレゼント」「元手はかからない」なんてワードが並びます。
他の案件も、5万円プレゼントって言ってたな〜
公式FinTech会員サイトは、やっぱりハリボテだった
動画視聴後は、会員サイトへの案内とログインのためのコードが届きます。
動画には「ご自身のコードを入力」と書かれていましたが、会員サイトにログインするために「各個人専用のコード」なんて存在しません。
会員サイトのHTMLソースを読めば、jsファイル内にログイン用コード(数字4桁)が記載されていることが丸わかりなのです。
注意書きとして「必ずログインする際は毎回LINEからお願いします。別のところからログインすると初期化されます」なんてことも書いてあるのですが、別の端末でアクセスされると都合が悪いだけなんですね。
こういった「なんちゃってハリボテ会員サイト」は、コードでユーザーを識別しているわけではなく、簡単な仕組み(セッション等)を使って情報を保持しているだけなので、別のスマホやPCでアクセスすると「イチからやり直し」状態になるわけです。
報酬が増えているように見せかけるためには、端末を代えてログインされると都合が悪いわけです。
PCでアクセスされた場合、私のようにソースコードを見て嘘をあばかれることにもなりますしね。
なんちゃってサイトにログインすると、毎日5万強の額が積み上がっていきます。
こんなハリボテサイトで資産運用が行われていることはありえません。
これを信じちゃう人は危険だよ。
【ネタバレ】公式FinTechの料金は?
数日の運用期間が過ぎると、正規版移行案内となるわけですが、もちろん正規版移行には料金が発生します。
30,980円
他の類似案件と同じく3万円台。
申し込みしてしまった人には、報酬が3倍になるアップセル商材も用意されていて、こちらは19,800円。
もちろんダウンセル商材も存在していて、こちらは9,800円。
たとえ被害に会ってしまったとしても、泣き寝入りしてしまう金額設定ですので、そのへんも想定済なのでしょう。
公式FinTechの口コミ・レビュー
検索しても、実際に購入した方の口コミは発見できませんでした。
さすがに怪しすぎるので、購入する人も珍しいのではないでしょうか。
公式FinTechの総評
類似案件と同様、おすすめしません!
これまでもいろいろなハリボテサイトを見てきましたが、「公式FinTech」はかなり低レベルなハリボテサイトです。
元手がかからず、毎日5万円稼げる投資なんて、そんなアホなものはありません。
以上、「公式FinTech」についてでした。