本日の検証案件は、ビットコインの自動売買システム「BTC FIRE(ビットファイヤ)」です。
「資金10万円から億の世界」を目指せるトレーディングシステムとのことですが、ビットコインの完全自動売買で本当にそれほどの利益を得ることができるシステムなのでしょうか?
BTC FIRE(ビットファイヤ) セールスコピー
まずは、セールスページから、気になるコピーを拾ってみます。
引用元:https://btcfire100.com/new/1221/1221/lp1/
- 1年後に人生上がりませんか?
- 資金10万円から億の世界へ
- 完全自動BTCトレーディングシステム
- スマホを開く度に資産が勝手に増えていく
BTC FIRE(ビットファイヤ)は、完全自動のビットコイントレーディングシステムで、設定不要・基本放置で運用可能というのが売りなようです。
ページからメールアドレスを送ると、システムについて10分にまとめた解説動画を視聴できるとあります。
BTC FIRE(ビットファイヤ) サーバー・ドメイン情報
以下、2025年2月2日時点のセールスページのサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | btcfire100.com |
サーバーIP | 157.112.152.37 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年12月16日 |
SSL証明書の種類 | Let’s Encrypt |
ドメイン取得から2ヶ月未満なことから、リリースから期間が経っていないと思われます。
特商法に記載された連絡先メールアドレスには、上記と異なるドメイン(chiba555.com)が使用されています。
ドメイン | chiba555.com |
サーバーIP | 202.226.39.104 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2023年3月29日 |
こちらのアドレスは、2023年3月から使用されています。
実は、BTC FIRE(ビットファイヤ)の販売者は、以前から自動売買EAの販売を行っている人物で、このドメインを連絡先として使用しています。
BTC FIRE(ビットファイヤ)の特定商取引法の表記
セールスページに記載された特商法の一部を書き出してみます。
販売業者、販売責任者 | 千葉雄介 |
所在地 | 〒220-0004 神奈川県横浜市西区北幸二丁目10番地28 むつみビル3F |
電話番号 | 090-7480-4643 |
メールアドレス | info@chiba555.com |
法人名の記載がなく、販売業者欄には「千葉雄介」という個人名のみが記載されています。
BTC FIRE(ビットファイヤ)は、ビットコインの自動売買システムですので、個人名のみの記載は不安材料となります。
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
特商法に記載された所在地について
特商法には、法人名が記載されていませんが、所在地は記載されています。
所在住所(神奈川県横浜市西区北幸二丁目10番地28 むつみビル3F)を確認すると、以下のオフィスビルが表示されます。
こちらの「むつみビル」3階が所在地ですが、おそらくここには販売者はいません。
所在地にあるのはバーチャルオフィス
神奈川県横浜市西区北幸二丁目には、「レゾナンスバーチャルオフィス横浜店」があります。
公式サイトで詳しい住所は公開されていませんが、おそらく「神奈川県横浜市西区北幸二丁目10番地28 むつみビル3F」がバーチャルオフィスの住所と予測できます。
というのも、法人番号公表サイトで上記住所を調べると、200件近くの法人がヒットするからです。
むつみビルは、ワンフロアに200もの法人が入居できるビルではありません。
よって、特商法に記された住所は営業実態のないバーチャルオフィス住所だということが分かります。
千葉雄介とは
販売者である「千葉雄介」ですが、過去に複数の商材の特商法表記において、「販売業者、販売責任者」として名前が記載されていた人物です。
少し調べただけでも、以下のような複数の商材の販売に関与していたことが分かりました。
- FX自動売買システムBIGBANG
- FX自動売買システムSPIDER
- FX自動売買システムCROWN
- FX自動売買システムJupiter
- FX自動売買システム麒麟-Kirin-
- FX自動売買システム黄龍
- AI BTC Trader
- サムライインベストメントコミュニティ
- インターネットビジネスコンサル
自動売買系システムを中心に様々な情報商材を行っており、そのどれも、特商法に記載されているのは法人ではなく個人名となっています。
BTC FIRE(ビットファイヤ)に登録してみた

メールアドレスを登録すると、LINE登録へと繋がり、動画を閲覧することになります。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=cYhtP4PsjMo
動画を一通り視聴してみましたが、BTC FIREはレバレッジを活用した取引を行うことで、投資金額が少なくても億万長者を狙えるとしています。
100倍のレバレッジをかけるということは、10万円の証拠金で1000万円分の取引を行うということです。
これは、10万円で大きな利益を狙えますが、同時に大きなマイナスを抱える可能性があるということです。
動画では、そのリスクについての説明が不足しており、投資初心者に誤解を与える可能性があります。
また、具体的な取引履歴やシステムの詳細な仕組みが公開されておらず、結果の数字のみが提示されています。
これでは、システムの信頼性を判断する材料が明らかに不足しています。
BTC FIRE(ビットファイヤ)の設定についても、「設定不要・基本放置で運用可能」などのうたい文句があります。
投資の世界では、これらは過度に楽観的な表現と言えます。
投資には常にリスクが伴い、適切な管理や見直しが必要であることを考えると、このような表現を行う案件は慎重に精査すべきです。
BTC FIRE(ビットファイヤ)の価格は

動画視聴後、さらに詳しい説明を受けると価格が分かるようですが、筆者は動画の視聴までしか検証を行っていませんので、正確な価格は不明です。
しかしながら、「千葉雄介」が販売していた「AI BTC Trader Plutinum」と「BTC FIRE(ビットファイヤ)」の設定画面が酷似しているため(というか同じ)、「AI BTC Trader Plutinum」に近い価格設定ではないかと考えられます。
参考までに「AI BTC Trader Plutinum」の販売価格は、298,000円(税込み)でした。
BTC FIRE(ビットファイヤ)の総評

ビットコインの自動売買システム自体は存在し、APIを利用した取引やアルゴリズムトレードなどが一般的に行われています。
しかし、これらのシステムで安定的かつ高額な利益を得ることは容易ではなく、市場の変動やシステムの精度によって結果が大きく異なります。
BTC FIRE(ビットファイヤ)は、個人名のみの販売者情報、バーチャルオフィスの所在地、具体的なエビデンスの欠如、レバレッジリスクの未説明、そして「設定不要・放置可能」といった過度に楽観的な表現など懸念点が多くあります。
これらの点を総合的に考慮すると、BTC FIRE(ビットファイヤ)の利用は避けたほうが良いでしょう。
以上、「BTC FIRE(ビットファイヤ)」についてでした。