本日は、World Trader Co Ltdの全自動AI投資システムについて取り上げます。
ひと通り確認したところ、過去に取り上げた「FOX」「EAGLE」「folio」「パブリックプラスα」と非常に似ており、注意が必要な案件だと考えられます。
これらの案件は、全体フロー、サイトの作り、ソース、システム部分が非SSL、海外法人、使用サーバーが同じ等、共通点が数多く見られます。
全自動AIシステム(Trading System) セールスコピー
早速、セールスページのコピーをいくつか拾ってみましょう。
引用元:https://autoai-present.jp/
- 史上最高レベルの全自動AI投資システム
- 年間平均勝率97% 全自動で平均日利100万
- 日米共同開発で誕生した史上最も稼ぎやすい全自動AIシステム
- あなたはスマホをタップするだけ
日米共同開発とは、また大きく出たね。
専用ツールをダウンロードして何も考えずにタップするだけで利益が積み上がっていくんだとか。
しかも投資資金10万円が特典としてついてきます。
「全自動AI」「初期資金プレゼント」という2ワードだけで、危険なニオイがします。
このセールスページを信じちゃう人、本当に危険なのでネットで副業を探すのは今すぐやめたほうがいいです。
全自動AIシステム(Trading System)のサーバー・ドメイン情報
冒頭にあげた類似案件と同様、全自動AIシステム(Trading System)も複数のドメインを取得して、それぞれのページで異なったドメインを使用しています。
以下、2024年7月17日時点のサーバー・ドメイン情報です。
全自動AIシステム(Trading System)セールスページのドメイン情報
まずは、セールスページのドメインから
ドメイン | autoai-present.jp |
サーバーIP | 118.27.125.236 |
ISP | GMO Internet,Inc |
ドメイン取得日 | 2024年5月14日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
更に、セールスページでメール登録後に表示されるサンクスページにも別ドメインが用意されています。
ドメイン | autoai-thanks.jp |
サーバーIP | 118.27.125.236 |
ISP | GMO Internet,Inc |
ドメイン取得日 | 2024年5月14日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
いずれのドメインも、同日にドメインを取得し、同じサーバー内にページが格納されています。
このサーバーIPは、「folio」のセールスページが格納されていたサーバーIPと一致します。
全自動AIシステム(Trading System)とfolioは、サーバー管理者が同じ、もしくは何らかの繋がりがある可能性が高いでしょう。
「特商法取引法に基づく表記」が記載されているページが格納されているサーバーは、上記サーバーとは異なります。
ドメイン | autoai-system.jp |
サーバーIP | 103.246.177.12 |
ISP | New Century InfoComm Tech Co., Ltd. |
ドメイン取得日 | 2024年5月14日 |
SSL証明書の種類 | SSL証明書なし |
こちらは、「FOX」「EAGLE」で使用されていたサーバーと同じものです。
サーバーがあるのは台湾。
各ドメインの登録情報を確認すると、関連性がうかがえる案件同様、Xserverでドメイン取得、ロリポップ!レンタルサーバー(GMO傘下)にページが格納されていることが分かります。
登録者名は、いずれも「今井常次」という個人名です。
運営会社は、海外法人ですが、セールスページのドメイン取得先、格納サーバーは、いずれも日本国内の業者を利用していることが分かります。
全自動AIシステム(Trading System)のドメイン情報
メールアドレス登録〜LINE登録後に誘導されるシステムにログインすると、セールスページで言われているように「専用ツールをダウンロード」するわけではなく、単にWEBページにアクセスしているだけであることが分かります。
以下、システムページのドメイン情報です。
ドメイン | autoai-systemtool.jp |
サーバーIP | 31.222.227.178 |
ISP | New Technologies Ltd. |
ドメイン取得日 | 2024年5月14日 |
SSL証明書の種類 | SSL証明書なし |
サーバがあるのはロシアのモスクワですが、日本国内のXserverでドメイン取得しています。
こちらもドメイン取得者は「今井常次」となっています。
ドメインは日本国内企業で取得しているのに、肝心のシステム部分をわざわざ海外サーバーに格納しています。
これでは、身元の秘匿や、日本の法律や規制から逃れることが目的と思われても仕方ないでしょう。
もし何らかの被害が発生して、被害者が法的手段を訴えようとしても、海外サーバーであることで追求は困難になります。
もう、この時点で十分怪しい・・・
全自動AIシステム(Trading System)はSSL(暗号化)証明書なし
他の類似案件と同様、全自動AIシステム(Trading System)のログインページはSSL証明書を取得していません。
SSL証明書が取得されていないということは、SSL(Secure Sockets Layer)暗号化が適用されていないことを意味します。
これは、セキュリティリスクを高め、ユーザーのプライバシーやデータの安全性を脅かす可能性があるということです。
金融係のサイトがSSL証明書を取得していない時点で、非常に危険ですし、ありえないことです。
特定商取引法の表記
以下、特商法表記の一部です。
会社名 | World Trader Co Ltd |
代表者名 | 藤堂 成一 |
所在地 | LEVEL 15, LANGHAM PLACE, 8 ARGYLE STREET, MONG KOK, KOWLOON |
退会方法 | stop@autoai-system.jp |
記載されている住所は香港の九龍半島です。
海外法人のようですが、本当に存在する法人でしょうか?
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
所在地にあるのは、レンタルオフィス
会社所在地にあるのはCompass Offices Langham Placeというレンタルオフィスです。
Googleの詳細検索設定で、地域を「香港」に設定して、「World Trader Co Ltd」と住所で&検索してみたのですが、投資サービスを提供している「World Trader Co Ltd」という会社はヒットしませんでした。
World Trader Co Ltdなんて会社は、存在しない可能性大だよ。
全自動AIシステム(Trading System) に登録してみた
関連案件との類似点を考えると、メールアドレス登録後のフローも想像できますが、一応システムログインまで進んで確認してみました。
【公式】LINEアカウント、サポートセンターLINEへ登録後、LINEとシステム(WEBページ)を連携させるという同じ流れです。
システムはただのWEBページ
サポートLINEに届くシステムURLへアクセスして、登録メールアドレスとパスワード(共通パスワードというのもありえない)でログインします。
運用資金には、アクセス時から10万円が用意されており、BETボタンをクリックするたびに、TOTAL ASSETS(総資産)が増えていきます。
下部に表示された「リスク警告」は、EAGLEやFOXと全く同じ文章です。
通常、投資を行う場合、プラットフォーム上で口座(アカウント)を開設し、その口座内で投資運用を行います。
口座を開設したわけでもないのに、資金10万円はどこで運用されているのでしょう?
ページに埋め込まれたのはTradingViewのウィジェット
ページ上部に埋め込まれたウィジェットは、アメリカに本社を置くTradingView社の高機能ウィジェット。
ページ内に他社の無料サービスを埋め込んでいるだけ。
何も知らない投資初心者であれば、何らかの投資が行われているような錯覚に陥るかもしれませんが、これは、誰でも無料で使えるTradingView社の高機能ウィジェットをページ内に埋め込んでるだけです。
他の類似案件と一緒だね
他社が提供する無料サービスを埋め込んで、それっぽいページに仕立てているだけで、なんらかの投資システムが動いているわけではありません。
リスク警告はFOXと全く同じ
ページ下に記載された「リスク警告」は、FOXやEAGLEのシステムページに記載されていたものと全く同じです。
“マーシャル諸島共和国の事業会社法の規定のもと認可を受けている企業”という表記がありますが、International Registries, Incのサイト(マーシャル諸島共和国に代わってマーシャル諸島の企業登録を管理しているサイト)で法人検索をかけても、もちろん香港にある「World Trader Co Ltd」なんて法人はヒットしません。
ドメインを日本で取得、システムのページを海外のサーバーに格納、会社所在地は香港なのにマーシャル諸島の法人認可を主張・・・
もう、危険フラグしかありません。
全自動AIシステム(Trading System) の料金は?
数日、BETボタンをポチポチし続けると、個人情報や銀行口座情報を登録するように促されました。
怪しい業者に個人情報を教えるつもりはないので、検証はここまで。
類似案件については、読者の方より「利益を引き出すために十数万を請求された」との口コミをいただきましたので、同じような展開になるのではないかと思われます。
全自動AIシステム(Trading System) の総評
管理人の意見としては、全くオススメできません。
とにかく怪しい点が多すぎます。
口座開設すら行わない投資プラットフォームなんてありえません。
システム部分のHTMLソースを読むと投資なんて行われていないことは一目瞭然です。
jsファイルの中身を見れば、ハリボテの投資運用ページである様子が確認できます。
10万円の運用資金プレゼントや、タップするだけで数万円の利益なんていう美味しい話はありません。
以上、「全自動AIシステム(Trading System)」についてでした。