本日の観察日記は「銭トク会」
「銭トク会」は、招待制の副業グループで、月収30万円を目指すノウハウを公開しているとのこと。
グループが費用を請求することはないみたいだよ。
無料でノウハウ公開ってこと?
銭トク会 セールスコピー
まずは、銭トク会のセールスページに掲載されているコピーを拾ってみます。
引用元:https://zenitoku.com/lp/22/ https://zenitoku-kai.com/
- 1日10分LINEでポチポチするだけで毎月+30万円を目指す!
- 完全招待副業コミュニティ
- プロトレーダーのトレードをそっくりそのまま真似して、初心者でもプロトレーダーと同等の結果を得られる副業です。
- 参加者の平均実績は月収で30万円程度。FXの稼働日が20日として計算すると、(土日休)日給にして15,000円程度になります。
銭トク会へ参加すると、グループに招待され、プロのトレーダーのトレードを真似できるとのこと。
必要なのはFXへの投資資金だけで、銭トク会が費用を請求することはないそうです。
いわゆる「海外取引所で口座開設してコピートレードで儲けましょう」ってことだと思うのですが、非常に危険なニオイがします。
最近も、GEMFOREX、ZAIX、アサシンFXといった海外取引所を使ったコピトレで、立て続けにトラブルが起こっています。
お金持ちを装ったSNSアカウントや、出会い系で勧誘され、海外取引所でFX取引を始めてしまった人たちが被害にあったなんて報告もよく耳にします。
海外取引所を装って、実は日本国内の組織が運営していることもよくある話。
海外取引所を装った集団が、ある程度のお金を引っ張ったところで一気に引き上げる、なんてことは珍しいことではないのです。
サーバー・ドメイン情報
以下、2023年7月10日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | zenitoku.com |
サーバーIP | 163.44.185.208 |
ドメイン取得日 | 2023年5月30日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証(Let’s Encrypt) |
ドメイン | Zenitoku-kai.com |
サーバーIP | 163.44.185.208 |
ドメイン取得日 | 2023年1月29日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証(Let’s Encrypt) |
Zenitoku-kai.comを今年の1月末に取得して、公式ホームページを立ち上げているようです。
zenitoku.comは、広告用LPに使用されており、検索エンジン等からの受け口となっているようです。
このことから、「銭トク会」は、公式ホームページが立ち上がって半年も経っていないコミュニティという事がわかります。
半年も運営されていないコミュニティなので、トレードの実力を図るには期間が短すぎますね。
特定商取引法の表記
LP(zenitoku.com)に、特商法の表記がありました。
運営責任者 | 株式会社UNC |
所在地 | 〒107-0062 東京都港区南青山2丁目2番15号 Win Aoyamaビル635 |
電話番号 | 03-5776-3692 |
メールアドレス | contact@unccorp.com |
販売価格 | 動画配信サービス利用料:0円 |
出た!ウィン青山!
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
株式会社UNCとは?
運営責任者である「株式会社UNC」について調べてみました。
・法人番号指定年月日 令和3年(2021年)12月14日
・法人番号 4010401164414
こちらが会社ホームページ。
SNS代行業務、オンラインサロン運用支援などを行う会社のようです。
株式会社UNCの所在地はバーチャルオフィス
特商法に記載された住所(東京都港区南青山2丁目2番15号 Win Aoyamaビル635)にある「ウィン青山」は、数多くの(怪しい)業者が所在地としている場所です。
バーチャルオフィスですので、この場所に会社運営の実態はありません。
事業所が存在しないため、簡単に行方をくらますことができるわけです。
なにか問題があっても対応は期待出来なさそうです。
株式会社UNCは、1年半の間に住所変更・名称変更を行っている
株式会社UNCですが、登記情報をよく見てみると、設立から1年半の間に住所変更、社名変更を行っていることが分かります。
商号:株式会社UHB
住所:東京都港区南青山2丁目2番15号WinAoyamaビルUCF635
商号:株式会社UHB
住所:群馬県高崎市東貝沢町2丁目30番地6
商号:株式会社UHB
住所:東京都港区南青山2丁目2番15号WinAoyamaビル635
商号:株式会社UNC
住所:東京都港区南青山2丁目2番15号WinAoyamaビル635
設立時はUHBという会社名で住所はウィン青山、半年後に群馬県高崎市に移転、また半年後にウィン青山に戻って、1ヶ月ほどで社名をUNCに変更。
バタバタと慌ただしいですね。
本当に「銭トク会」の運営に関わっているのか、名前貸しだけなのかは分かりませんが、短期間でこれだけ変更がある会社だと、信用度はどうしても低くなりますね。
【潜入】銭トク会に参加申込してみた
どういったコミュニティなのか確認するために、銭トク会にメール登録してみます。
メール登録が完了すると、すぐにLINE登録へ誘導されます。
表示されたLINEアカウントは、銭トク会インフォメーションの野村元というアカウント。
メッセージでは、複数のオープンチャットへの招待、説明動画などが送られてきます。
クローズドのコミュニティで、プロトレーダーのFXトレードを真似できるのが、銭トク会ということのようです。
銭トク会のコピートレードは、自動でトレーダーが取引を行ってくれる訳ではなく、トレーダーの取引を見て真似することで利益を出したり、トレードの仕方を勉強できるといったもののようです。
槇圭一のLINEアカウント登録すると・・・
その後、2本目の動画を見て簡単なクイズに答えたり、別のLINEアカウントを追加したりと、指示に従っていくと「槇圭一」という人物のLINEアカウントを追加することになります。
セールスページに記載がある人物で、銭トク会の運営マネージャーを名乗るアカウントです。
こちらの人物とLINEでやり取りを進めて行くと、海外取引所でアカウントを開設するように促されます。
紹介されたのは、April Investors(エイプリルインベスターズ)という聞き慣れない取引所。
こちらの取引所については、改めて調査して別記事にまとめたいと思います。
軽く調べてみたのですが、(個人的に)信用できない取引所と判断したため、最終的なコピートレード参加は遠慮することにしました。
銭トク会への参加は無料
(自称)プロトレーダーの取引が真似できる、銭トク会のクローズドコミュニティへの参加は、全て無料です。
ただし、April Investorsで口座開設することが条件です。
おそらく、これIBアフィリエイトなので、口座開設したユーザーが取引を行えば行うほど、銭トク会側へ報酬が発生する仕組みです。
コミュニティを無料で運営して、ユーザーに取引を促します。
取引を行ってもらえばもらうほど、銭トク会へ報酬が発生するので、コミュニティで盛んに利益報告が行われているのも納得です。
調べてみたところ、April Investorsは、1ロットあたり12ドルのIB報酬が発生するようです。
口座開設のリンクには、紹介者識別のコードが確認できましたので、おそらく「銭トク会」が、IB報酬を受け取っているのは、ほぼ確定だと思われます。
海外FX取引所などによるIB報酬とは、紹介したユーザーが実際に口座開設して取引を行った場合に発生する報酬です。
紹介したユーザーの取引量に応じてFX業者側から報酬が支払われます。
また、紹介したユーザーが取引を続ける限り、継続的な報酬(取引手数料の一部)を受け取ることも可能です。
ほとんどの海外FX業者は日本国内の金融ライセンスを取得していないため、IB報酬自体はグレーゾーンと見られています。
海外取引所の利用は慎重に
海外の取引所は、日本国内の金融ライセンスを所有していないところがほとんどです。
(まともな業者なら日本法人を設立し日本国内ライセンスを取得します)
海外取引所は、日本の金融ライセンスを取得している取引所と比べると、レバレッジが数百倍であることが多く、あえて海外の取引所を利用するトレーダーが多いのも事実です。
(レバレッジが数百倍ということは儲けも大きいですが、一気に損をする可能性もあるということです)
銭トク会、株式会社UNCは金融ライセンスを保持していない
日本国内の金融商品取引業の登録を受けていない海外取引所が、日本国内在住者に取引所のサービスを提供することは違法行為となります。
例え、海外のライセンスを所有していても、日本国内在住者の顧客相手にサービスを提供することは違法です。
また、海外取引所だけではなく、取引所に誘導し口座開設を促し、顧客の取引に応じて報酬を受け取る場合、第一種金融商品取引業に該当するため、無登録の業者の場合は違法行為となります。
「銭トク会」および「株式会社UNC」が、金融商品取引業者であることが確認できないため、報酬が発生していた場合、違法行為を行っているということになります。
海外FX取引所でトラブル多発
近年、マッチングアプリやSNS等で出会った人物から海外FX取引所を紹介されて、FX取引を始めたものの「資金を溶かされた!」「出金できない!」といったトラブルをよく耳にします。
なんてことが、実際に起っているんですね。
たちが悪いのが、はじめのうちは調子が良かったり、途中で実際に出金できたり、サロンやコミュニティの利益報告がサクラだらけだったりするので、リテラシーの低いFX初心者だったりすると「儲かる」と信じて投資してしまうんですよね。
最近だと、GEMFOREXがサービス停止だとか、ZAIXで資金溶けて紹介者が逃亡とか、アサシンFXで強制ロスカットなんて話を目にしたので、興味ある方はご自身で検索されてみてください。
全ての海外取引所がNGというわけではありませんが、悪質な業者もたくさん存在しているので、特に初心者の方は注意しましょう。
銭トク会の総評
管理人の意見としては、オススメできません。
国内ライセンスの無い海外業者を利用しても違法性は問われませんが、リスクが大きいということを理解すべきです。
莫大なIB報酬が得られるとしたら、ユーザーが継続して取引をしてくれることが大事なわけですから、コミュニティでの活発なやり取りを演出したり、利益が出ていることを装ったり、サポートを提供したりといった行動があったとしても納得がいきますよね。
銭トク会が、そういった悪質な仲介者であると断定しているわけではありません。
しかし、過去にあった海外FX取引所のトラブルとの類似点が見られること、April Investorsという取引所が非常に怪しいことを踏まえると、関わらないのが自身のためでではないかと思った次第です。
April Investorsについては調査中ですので、近日中に記事にまとめたいと思います。
以上、「銭トク会」についてでした。