本日の検証案件は、投資資金0円で億単位の収入が受け取れる「GRANT(グラント)」です。
初期投資金無しで、億単位の収入を得るとは一体どのような仕組みなのでしょうか。
GRANT(グラント)セールスコピー
早速、セールスページから気になるコピーを拾ってみます。
引用元:https://grant-suzuki.com/lp/lp1h/
- 投資資金0円から半永久的な権利収入を生み出す
- 全自動AI資産形成アプリケーション
- スマートフォン1タップで起動し配当と売却利益を自動追求するWインカム設計
- 一撃億単位の受け取りだけでなくアプリを起動することで配当収入も獲得可能
- 操作はスマートフォンのボタンタップのみ完全自動設計
ページからは、投資対象が何なのかを、うかがい知ることはできませんでした。
資金0円で億の利益を狙うなどという投資は果たして存在するのでしょうか。
投資商品を選ぶ際には、投資リスクを理解し、具体的な情報や信憑性のある実績があるかなどを確認して、慎重に判断する必要があります。
根拠もなく過剰な利益をアピールする商品は、リスクが高い場合が多いため注意すべきです。
実績画像についての疑問点
セールスページには、実績画像としてSBI銀行の口座アプリのキャプチャが14点掲載されています。
以下はその一部です。

引用元:https://grant-suzuki.com/lp/lp1h/
実績画像を1つずつ詳しく確認してみると、気になる点がいくつか目に留まりました。

引用元:https://grant-suzuki.com/lp/lp1h/
まず気になるのは、全ての残高が「2,800,000」や「1,000,000」などのキリの良い数字になっている点です。
実際の口座を思い浮かべてみても、残高がこのようにピッタリとした数字になることは、あまり見かけません。
だいたい端数があることがほとんどでしょう。
そして、左上にあるメールアイコンに未開封として表示されている数字は、全ての画像で「16」となっています。
右側に表示されている、バッテリー残量も全ての画像で「96」と共通しています。
このことから予測できるのは、一つの画面を利用し、数字部分のみを加工した可能性があるということです。

う〜ん、不思議だ
GRANT(グラント)サーバー・ドメイン情報から分かること
以下、2025年1月12日時点のサーバー、ドメイン情報です。
ドメイン | grant-suzuki.com |
サーバーIP | 18.154.185.46 |
ISP | Amazon.com, Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年12月13日 |
SSL証明書の種類 | Amazon |
ドメインが取得されたのは1ヶ月前ですので、比較的最近リリースされた商材だと考えられます。
GRANT(グラント) 特定商取引法の表記
以下「特定商取引法に基づく表記」に記載されている項目です。
販売者名 | GB株式会社 |
代表取締役 | 松本秀樹 |
所在地 | 〒660-0872 兵庫県尼崎市玄番北之町 26番地の 1-1218 |
メールアドレス | gb7suport@gmail.com |
電話番号 | 06-4400-6357 |
「GB株式会社」は、当ブログで何度も取り上げたことのある会社です。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
GB株式会社とは?
販売事業者である「GB株式会社」は、「ROYALTY」「お宝横流しシステム」「SHARE」「MASTER PIECE」といった商材を販売してきた会社です。
GB株式会社
・法人番号指定年月日 令和元年(2019年)7月12日
・法人番号 3030001131961
・本店又は主たる事務所の所在地 兵庫県尼崎市玄番北之町26番地の1-1218
GB株式会社は、設立以来2度の住所変更を行なっています。


引用元:https://ttzk.graffer.jp/corporations/3030001131961
本記事執筆時の会社所在地は、築40年超えの14階建てマンションの1室となっています。
GB株式会社が販売してきた商材の評判
GB株式会社は、様々な商材の販売元となっていることを確認済みです。
以前取り上げた「ROYALTY」や「お宝横流しシステム」「SHARE」の他にも、「フリマセル」、日向陽の「MERCiii」や「在宅メルカリセレクトショップオーナー」といった物販系商材をはじめ、坂本よしたかの「ゼロ億FIRE」等の販売元となっていました。
これらの商材名で検索を行うと、注意を促すレビューサイトが数多くヒットする状況です。
GRANT(グラント)開発者、鈴木啓太とは
GRANT(グラント)の開発者を名乗るのは、鈴木啓太という人物です。


ページ掲載のプロフィールによると、アジアや中東圏の富裕層専門のプライベートバンカーで、最先端の金融情報やテクノロジーに精通しているとのことです。
そんな人物が開発したのが、この「GRANT」というわけです。
プライベートバンカーであると主張している以上、何らかの金融機関に所属している可能性が高いと考えられます。



フリーランスのプライベートバンカーなんて聞いたことないし、もしそうなら怪しすぎるもんね
しかし、金融機関に属する立場でありながら、個人的にアプリを開発して配布するなんてことがありえるでしょうか?
通常、金融機関は従業員による個人プロジェクトに厳しい規制や内部監査を設けていて、こうした行動が許可されるとは考えにくいです。
GRANT(グラント)の動画を視聴してみた


セールスページで、メールアドレス・LINE登録した後は、3日にわたりGRANT(グラント)の説明動画3本を視聴することになります。
GRANT(グラント)の動画は、特定のYouTubeチャンネルで配信されているのですが、このチャンネルは、当ブログで検証してきた複数の商材の配信元となっています。
動画の出演者は本人なのか?
まずは、第1話の動画を視聴してみました。


引用元:https://www.youtube.com/watch?v=meKWDEsf53c
動画では、鈴木啓太の他にインタビュアーの「足立梨花」という女性が登場します。
有名タレントさんと同姓同名ですね。
足立梨花というナレーターを調べてみたのですが、残念ながら、この方に似た足立梨花さんは見つからず。
代わりに、声と顔が非常によく似た「はら あい」さんというナレーターが見つかりました。
あえて、リンクは貼りませんが、動画と同じ服装の御本人写真も確認済みです。
続いて「鈴木啓太」について調べてみると、非常に似た役者さんと思しき人物がいらっしゃいました。


引用元:https://youtu.be/gm2Z8yJwEaw?si=hOlekLCPPuDZXtqS&t=71
上記は、全編英語のインディーズ侍映画の予告編ですが、この動画に出てくる役者さんが、「鈴木啓太」にとても似ているのです。
顎のホクロの位置まで一致していたりと、他人の空似にしては共通点が多すぎです。
この2人が、本当に「鈴木啓太」と「足立梨花」なのか、いよいよ分からなくなってきました。
2人とも、この動画のために雇われただけという可能性が出てきました。
GRANT(グラント)は、暗号通貨のエアドロップで稼ぐ投資
第2話の動画では、GRANT(グラント)が暗号通貨エアドロップアプリケーションであると明かされます。
エアドロップで獲得した暗号通貨が高騰する?
「暗号通貨のエアドロップ」とは、暗号資産が新規発行される際に、知名度を上げるためのマーケティングの一環として、発行元が暗号通貨やトークンを無料で配るイベントです。
無料で獲得した暗号通貨やトークンが将来的に高騰すれば、元手がかからず億の収益を生み出すことが出来るというわけです。
このような仕組みは、特にリスクを抑えたい初心者や資金に余裕がない人々にとって魅力的に映るかもしれません。
実際、過去にはエアドロップで無料配布された暗号通貨やトークンが高騰し、保有者が大きな利益を得た事例があります。
しかしながら、獲得した暗号通貨が必ず高騰するというような確実性はありません。
また、暗号通貨を無料でもらうためには一定の条件が設けられます。
その条件は様々で、SNSアカウントのフォローや、特定の取引所でのアカウント開設、一定額の取引など、暗号通貨によって異なります。
スマートフォンをタップするだけで暗号通貨が受け取れる?
第3話では、GRANT(グラント)が、エアドロップの案件選定だけでなく、受け取り条件までも完全自動化してくれるといったような説明があります。
しかし、仮想通貨に関する知識を持つ人であれば、これが実現不可能であることは容易に理解できるでしょう。
前項でも触れましたが、エアドロップ受け取りの条件は、プロジェクトごとに異なり、手動で特定の手順を踏む必要がある場合がほとんどです。
たとえば、ウォレットの接続、特定の仮想通貨の保有、SNSへの投稿など、条件は多岐にわたります。
条件をすべての案件で一括して「完全自動化」するのは、技術的にも現実的にも不可能と言えます。
条件実行は、受取人本人によって行われることが大前提ですし、外部のアプリケーションが代行するなんてことはありえません。



完全自動って、個人情報の扱いはどうなるの!?
ここまでの検証で、以前取り上げた「ROYALTY」に似ていることに気づきました。
GRANT(グラント)の価格は


無料で仮想通貨を受け取れるなら、「たとえ受け取った仮想通貨が高騰しなくても損することはないから参加したい」と思う人もいるかも知れません。
筆者は、たとえ無料でも意味不明なアプリケーションに個人情報を預けたいとは思いませんが。
GRANT(グラント)を受け取るためには、「GRANT THE TRINITY(グラント・ザ・トリニティ)」というコミュニティに参加することが条件です。
コミュニティ参加価格は
一括払い:248,000円(税込)
20万以上を支払っても、仮想通貨のエアドロップ受け取りを自動化するなんてことは出来ないでしょう。
GRANT(グラント)の口コミ・レビュー


リリースから間もない商材なので、口コミなどは見つけられませんでした。
GRANT(グラント)の総評


暗号資産についての知識がある方であれば、この案件がいかにおかしな内容か一目でわかるでしょう。
私には、この案件が金融リテラシーが低く、暗号資産に関する知識を持たない人々をターゲットにしているように感じられます。
確かに、暗号資産やトークンのエアドロップは、条件を満たせば無料で受け取ることが可能です。
(もちろん、他の暗号資産を保有しているなどの条件付きですが)
しかし、その受け取りを他人任せにしようという意識の方は、投資に手を出さないほうが賢明です。
他人に依存しているようでは、たとえ暗号資産を受け取ることが出来たとしても、その後の管理や投資で利益を上げることは難しいでしょう。
暗号資産に興味があるのなら、まずは自分で勉強を始めることをおすすめします。
基本的な知識を身につけ、信頼できる取引所で口座を開設するところからスタートしてみましょう。
以上、「GRANT(グラント)」についてでした。