本日取り上げるのはFX業者「VeracityFX」です。
こちら、noteで見つけた記事に記載されていたFX業者ですが、色々怪しい箇所が見られたのでちょっと調べてみました。
noteの記事から怪しさ満載
noteで見つけた怪しい記事というのがこちら。
内容を読んでみると、VeracityFX日本語ページへ誘導するための記事なのですが、とにかく読みづらい。
外国語ページを日本語翻訳したような文体で書かれており、内容を理解するのに一苦労です。
Veracity Wealth Pty Ltdという企業のVeracityFXというFX取引所の良さをアピールしているのですが、日本人が書いた記事でないのは一目瞭然です。
アカウント名も「NEWS」という謎のアカウントになっており、最新記事は中国国内で開催された美術展に関する内容。
最も古い記事は2020年3月5日のもので、記事数も150記事ほど投稿されていますが、多くの記事は、他のニュースサイトから丸ごと転載したものばかりです。
不自然な文体、他サイトの記事を丸パクリ、中国に関する記事が多いことなどから、中国系グループによって作られたnoteではないかと思われます。
「大竹一義」「笹山幸太郎」を取り上げた怪しい記事も存在
多くの記事の中には、オリジナルと思われる記事もいくつか存在します。
これらの記事は翻訳機能を使って書いたのではないかと思える残念な出来。
これらの記事内で取り上げられているのは、「大竹一義」「笹山幸太郎」といった人物です。
著名な投資家と紹介されており、投資塾への勧誘、LINEグループへの誘導、海外取引所への誘導へと繋がっていきます。
「大竹一義」「笹山幸太郎」ですが、最近横行している投資LINEグループで度々見かける名前です。
著名人や有名人の写真を使ったSNS広告などでLINEグループへ誘導し、怪しい海外取引所へ多額の入金を行わせたり、FXや株式投資、仮想通貨投資などへの勧誘が盛んに行われているので注意が必要です。
各所掲示板やYahoo!知恵袋で高額の被害を訴える声がいくつも上がっていますので、絶対に参加してはいけません。
「大竹運用塾」については、ユニセフのサイトにて注意喚起が行われています。
「大竹一義」「笹山幸太郎」の名前で検索すると、文体の怪しいブログ記事やニュースサイト(くずれ)の記事がいくつもヒットするので、巧妙に仕掛けが展開されている印象です。
かなり大きな中国系グループが、これらの案件に関わっているのではないかと推察できます。
veracityfx.coにアクセスすると
話がそれましたが、FXの記事に記載されていた「VeracityFX」(veracityfx.co)にアクセスしてみます。
アクセスして最初に表示された画面に驚愕!
俳優、鈴木亮平さんの画像が使用されており、MINKABUのFX会社比較ランキング1位のロゴまであります。
これらの素材ですが、日本国内のFX業者である「外為どっとコム」から勝手に拝借したものだと思われます。
以下が「外為どっとコム」のトップページですが、画像やMINKABUのロゴが確認できます。
実在する日本国内のFX業者の画像を勝手に使用する、FX会社比較ランキング1位、取引ツール部門1位を名乗る等、全くのデタラメばかりが掲載されたページであることから、「VeracityFX」がまともな業者でないことは明らかです。
veracityfx.coのサーバー・ドメイン情報
サイトドメインveracityfx.coを調べてみると、ドメイン取得から1ヶ月も立っていないことが分かります。
ドメイン | veracityfx.co |
サーバーIP | 2606:4700:3031::ac43:afa5, 172.67.175.165 |
ISP | Cloudflare Inc |
ドメイン取得日 | 2023年10月23日 |
SSL証明書の種類 | Google Trust Services LLC |
ドメイン所有者情報(WHOIS情報)は、Whois情報公開代行サービスを利用して隠されています。
ドメイン取得の際には、保持者の氏名・住所・電話番号などの登録が必要なため、個人がこの代行登録サービスを利用することはおかしな事ではありませんが、金融業者で所有者情報を隠している場合は注意が必要です。
金融業者が情報公開代行サービスを利用していれば、何かやましいことがあると疑われても仕方ありません。
ちなみに、https://www.veracityfx.net/という別ドメインも確認できていますので、他にも同じようなページが複数存在しているのではないかと考えられます。
VeracityFXとは
上記の、veracityfx.coやveracityfx.netは、いわゆる入口となるページで、口座開設を行うのはveracityfx.comとなります。
サイトドメインveracityfx.comを調べてみると、こちらのドメインも取得から5ヶ月未満と若いドメインであることが分かります。
ドメイン | veracityfx.com |
サーバーIP | 138.68.155.233 |
ISP | DigitalOcean, LLC |
ドメイン取得日 | 2023年7月7日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
出来てから半年もたたないサイトなので、FX取引所としての実績は無いに等しいと言えます。
Veracity Wealth (Pty) Ltd. の法人登記住所はヨハネスブルグ
以下は、サイトフッターに記載された文章です。
The website www.veracityfx.com is operated by Veracity Wealth (Pty) Ltd. registered in South Africa with Company Number No: 2017/388557/07. The Registered Office Address no 5 murano, Cnr Bellairs comaro drive, glenvista, Gauteng, 2058 .Veracity Wealth (Pty) Ltd. Is authorized and regulated by the South African Financial Sector Conduct Authority ( FSP No: 49937
引用元:https://veracityfx.com/
サイトは運営元であるVeracity Wealth (Pty) Ltd. は南アフリカで法人登録されており、法人登録住所は、no 5 murano, Cnr Bellairs comaro drive, glenvista, Gauteng, 2058となっています。
こちらの住所ですが、南アフリカのヨハネスブルグになります。
こちらに見える住宅の1つが、法人登記住所となっているようです。
VeractyFXのコンタクトページに記載された住所はダーバン
さらにサイト内のContactページを見てみると、また別の住所が現れます。
こちらの住所は、南アフリカ共和国の東部、海岸沿いに位置する都市、ダーバンです。
表記の住所にあるのは、CONNECT SPACEという、オフィススペース、コワーキングスペース、バーチャルオフィスのサービスを提供している企業です。
この場所にオフィススペースを借りているのでしょうか?
もしバーチャルオフィスサービスを利用していれば、この場所に営業実体のない会社となりますが・・・
FSCAのライセンス登録を調べてみた
サイトトフッターには、法人登記住所の他にFSCAのライセンス番号が記載されています。
Legal Information: Veracity Wealth (Pty) Ltd. Is authorized and regulated by the South African Financial Sector Conduct Authority ( FSP No: 49937)
引用元:https://veracityfx.com/
南アフリカのFSCA(金融セクター行動監視機構)の運営ライセンスを取得しているとのことですので、FSCAサイトにて検索をかけてみました。
実際にFSCAでのライセンス登録は確認できました。
しかし、不思議なことに表示された住所は、法人登記住所、サイトに記載の住所と異なっています。
FSCAに登録されている住所は、ヨハネスブルグ(法人登記住所とは別)
FSCAに登録されている住所(24 3RD AVENUE, CNR 7TH AVENUE PARKTOWN NORTH)は、ヨハネスブルグにある「PARKTOWN NORTH」というオフィススペースです。
ここまで3つの住所が出てきましたが、一体どこにVeracityFXの営業実態があるのでしょうか?
さらに不思議なことがもう1つ。
サイトドメインを取得したのは2023年7月7日ですが、FSCAのライセンス登録は2019年9月4日です。
2019年時点のVeracityFXと現在のVeracityFXは別物なのでしょうか?
とにかく疑問点ばかり出てくる、謎多き海外取引所です。
VeracityFXの口コミやレビュー
開設されて間もない取引所のせいか、参考になるような口コミやレビューは発見することができませんでした。
今後、口コミ等が出てくる可能性はありますので、見つけたら随時追加していこうと思います。
VeracityFXの総評
管理人の意見としては、オススメしません。
入口となる日本版ページからして危険です。
実在する国内業者のサイトから素材を盗用している時点で、まともではありません。
本体となるサイトは運用期間が数ヶ月と短すぎます。
運営会社にも疑問点が多くあり、まともなFX業者とは言えません。
最近、「著名人、有名人の写真を勝手に使った広告出稿」、「LINEグループからの投資案件への誘導」などが、中華系と思われるグループによって盛んに行われています。
「VeracityFX」への勧誘を行っているのも、同じような中華系グループの可能性が濃厚です。
関わっても良いことはありませんので、近づかないようにしたほうが吉です。
以上「VeracityFX」についてでした。
年が明けてからVeracityFXのサイトを確認したところ、サイトが消滅していました。
Yahoo!知恵袋にも被害を受けた方の口コミがありました。
当記事をきっかけに、被害を免れた方が一人でもいらっしゃれば幸いです。