本日は「一発逆転ザ・ミーム」という仮想通貨取引に関する商材について検証していきます。
一発逆転ザ・ミーム セールスコピー
まずは、セールスページの主なコピーをピックアップしてみます。
引用元:https://katacrypto.net/thememe/lp05282/lp0528/index.html
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上記のようなコピーとともに、ミームコインの1種である「柴犬コイン(Shiba Inu)」が過去に73万倍に高騰した事例が紹介されており、それになぞらえて「ミームコインに10万円投資すれば1億円になる可能性がある」といった夢のようなストーリーが語られています。
ミームコインは必ずしも高騰しない
ミームコインとは、インフルエンサーやインターネット上の流行やジョーク、話題性から生まれた暗号資産で、実用性よりも人気やノリで価格が動く投機的なコインのことです。
確かに、柴犬コイン(Shiba Inu)のように一時的に大幅な値上がりを見せたミームコインも存在しますが、こうした「何万倍」という急騰はごく限られた事例であり、極めて稀なケースです。
多くのミームコインは話題性や一時的なブームで価格が動きますが、長期的な価値の裏付けなどはなく、暴落リスクが非常に高いのが現実です。
過去に一部の銘柄で大きな利益を得た人がいたとしても、それを再現できる保証はどこにもありませんし、可能性は高くありません。
「10万円が1億円になる」といった話は、あくまで誇張された宣伝文句で、資産運用として真剣に検討するのであれば、こうした夢物語に飛びつくのではなく、正確な知識を得ること、十分なリスク理解が必須です。
一発逆転ザ・ミーム サーバー・ドメイン情報
以下、2025年5月30日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | katacrypto.net |
サーバーIP | 157.112.152.37 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2021年12月15日 |
ドメイン取得から3年半が経っており、以前から使用されているドメインであることが分かります。
このドメインは、「ロードオブミリオン」という商材のドメインとしても使用されています。
「ロードオブミリオン」も、今回と同じ「片桐良太」という人物によるオファーで、「一発逆転ザ・ミーム」と非常に似ている商材です。
参照元:https://katacrypto.net/mailzen3kai/1003/1003/lp/
サーバーIPが、千葉雄介のBTC FIRE(ビットファイヤ)と一致
「一発逆転ザ・ミーム」「ロードオブミリオン」のページが格納されているサーバーですが、サーバーIPが、千葉雄介のBTC FIRE(ビットファイヤ)というオファーと同じものです。
BTC FIRE(ビットファイヤ)は、ビットコインの自動売買システムで、「資金10万円から億の世界」を目指せるトレーディングシステムということでしたが、「一発逆転ザ・ミーム」と同様に、WEBセミナーと称して長尺の動画へと誘導するものでした。
一発逆転ザ・ミーム 特定商取引法の表記
以下、セールスページに記載されている特商法の一部です。
販売者 及び 販売責任者 | 片桐 仁 |
所在地 | 東京都港区南青山 2-2-15 |
電話番号 | 050-3171-8785 |
お問い合わせ | info@katacrypto.net |
法人ではないのでしょうか?
個人名しか記載されていません。
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
特商法に表記された住所について
特商法に記載された住所「東京都港区南青山 2-2-15」ですが、この場所は「ウィン青山」のバーチャルオフィス住所です。
住所貸しサービスを利用したバーチャルオフィスですので、この場所に営業実態はありません。
実際、当ブログでも何度も登場している住所であり、国税庁の法人番号公表サイトで検索すると、実に5,500件以上の法人がこの住所を登録地としていることが分かります。
一発逆転ザ・ミームの主催者、片桐良太とは?
本案件「一発逆転ザ・ミーム」は、「片桐良太」という人物からのオファーです。
セールスページには自己紹介等は記載されておらず、セミナー動画で簡単な自己紹介がある程度です。
仮想通貨投資で資産を増やし、累計収入5億円を超える投資家で、これまでに指導した生徒は100名を超えるとのことです。

参照元:セミナー動画より
この案件と同じサーバーIPを使っている「ロードオブミリオン」でも「片桐良太」がオファー主となっており、特定商取引法の記載では「中川年和」という名前が販売責任者として書かれていました。
ところが、2025年5月時点で「ロードオブミリオン」を確認すると、販売責任者の名前が「一発逆転ザ・ミーム」と同じ「片桐仁」に変更されています。
このことから、「片桐仁」「片桐良太」「中川年和」は、何らかの関係性がある、もしくは同一人物である可能性があると考えられます。
「片桐良太」という人物は、「ファイナンスマネイジメント合同会社」という会社名を使って、noteで記事を執筆したり、Kindleで電子書籍を出版していることが確認できます。

引用元:https://note.com/katagiri_ryouta
「ファイナンスマネイジメント合同会社」は、所在地として「ウィン青山」を使用しています。
そのため、本オファーの実際の販売事業者は同社である可能性が高いと考えられますが、特定商取引法の表記には社名の記載がありません。
一発逆転ザ・ミームのWEBセミナーを視聴してみた

検証のためにメールアドレス登録を行い、WEBセミナーを視聴してみました。
セミナーはライブで行われているわけではなく、事前に作成された動画が再生されるだけです。
ですので、セミナーと称していながら、質疑応答などはできず、一方的に動画を視聴することとなります。
まず気になるのは、片桐良太の話し方です。
話し方に少しクセがあり、訛りのようなものが感じられるため、ところどころ聞き取りにくい部分があります。
そのせいか、一瞬「外国人なのでは?」と思ってしまうような印象を受けることもありました。
セミナーでは、「過去にミームコインがどれほど急騰したか」といった成功事例や、「仮想通貨には株式のようなインサイダー取引規制がないため、有利な情報を共有できる」といった都合の良い内容ばかりが強調されています。
しかし、ミームコイン投資に伴うリスクや、実際に大きく値上がりするミームコインがごく一部に限られている現実には一切触れられておらず、初心者にとっては非常に偏った印象を与える内容になっています。
セミナー動画後半では、「TBRマネタイズスクール」という名のスクール勧誘へと繋がります。
TBRマネタイズスクールの価格

TBRマネタイズスクールの費用は、月々2万8千円となっています。
入会金10万円が免除になる代わりに、3ヶ月間の継続が必要とのことで、最低でも8万4千円の費用が発生することになります。
もともとは、総額89万円のところを大幅ディスカウントとのことですが、こういった「値引き演出」は情報商材や副業系セミナーでよく使われる常套手段です。
高額に見せておいて大幅割引をすることで、「今申し込めばお得」「このチャンスを逃すと損」といった心理をあおり、受講や購入へのハードルを下げようとする狙いがあると思われます。
一発逆転ザ・ミームの総評

1時間以上にわたるセミナー動画(倍速もできず、ただただ苦痛)を視聴しましたが、はっきりいって資産が何十倍にも増えるとは思えません。
ミームコインについて調べれば、そんなにうまくいくことはないと分かります。
一攫千金狙いのミームコイン投資は、非常にギャンブル性が高く、運の要素が大きい不確実な投資手法です。
そんな投資を、バーチャルオフィスを住所にしている個人から教わったところで、億万長者になれる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
以上、「一発逆転ザ・ミーム」についてでした。