本日の観察商材は、初期費用0円で始められる自動運用システム「パブリックプラスα」です。
「初期費用0円」「自動運用」とか要注意ワードなんですが、果たしてどんな自動運用でしょうか。
パブリックプラスα セールスコピー
まずは、セールスページからいくつかコピーをピックアップしてみます。
引用元:https://present-eagle.jp/
- 初期費用なし
- 今なら5万円プレゼント特典中
- 後から費用請求も一切なし。
- ボタン操作1つだけのカンタン操作
- 経験0でも安心、安全、
- 自動運用システム勝率94%
初期費用なし、安全、勝率94%、ボタン操作1つetc
注意すべきワードだらけだ!
初期費用ゼロどころか5万円のプレゼントがあったり、安心、安全、カンタン操作と、ダメな商材にありがちな単語が多く使用されています。
勝率94%なんて異常に高い勝率です。
こういった勝率の高さをうたうシステムは、提供元の信頼性や誇大広告の有無、システムの透明性(動作原理やトレード戦略、運用結果の公開)、提供元が許可(金融商品取引業者)を得ているのかなどに注意を払う必要があります。
セールスページに特商法や提供元の表記はありませんし、広告表現も誇大広告、優良誤認広告と見られるもの多数。
さらに、トレード実績の提示や詳しいシステムのロジックも明らかにされていません。
もちろん金融商品取引業者の表示もありません。
パブリックプラスα のサーバー・ドメイン情報から分かること
以下、2024年5月6日時点のサーバー・ドメイン情報です。
複数のドメインが存在するため、それぞれのドメイン情報を調べてみました。
パブリックプラスαセールスページのドメイン情報
まずは、セールスページのドメイン
ドメイン | present-pp.com |
サーバーIP | 118.27.125.235 |
ISP | GMO Internet,Inc |
ドメイン取得日 | 2023年11月7日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
昨年の11月に取得されたドメインですので、ページが公開されてから数ヶ月が経っていると見られます。
パブリックプラスαのドメイン情報その1
メールアドレス後、「パブリック+α」と「サポートセンター」LINEへ登録を促されます。
サポートLINEには、「よくある質問」や「システムの説明」へのリンクがあるのですが、こちらが掲載されているドメインは、セールスページとは異なるものです。
ドメイン | pplus-systems.com |
サーバーIP | 66.220.10.10 |
ISP | Hurricane Electric, Inc. |
ドメイン取得日 | 2023年11月7日 |
SSL証明書の種類 | SSL証明書なし |
サーバーがあるのは、アメリカです。
こちらのドメイン、説明ページ等が格納されているだけではありません。
実は、「パブリックプラスα」という出会い系サイトのドメインなんです。
(詳しくは後述します)
パブリックプラスαのドメイン情報その2
続いて、パブリックプラスαの自動システムが格納されたサーバ・ドメイン情報です。
ドメイン | pplus-tool.com |
サーバーIP | 95.183.11.186 |
ISP | EuroByte LLC |
ドメイン取得日 | 2023年11月7日 |
SSL証明書の種類 | SSL証明書なし |
こちらのサバーがあるのは、ロシアのモスクワです。
入口となるセールスページは、国内のサーバーを利用していますが、肝心のシステム部分は海外のサーバーに格納されています。
しかしながら、ドメインは日本の業者(いずれもXserver)を通して取得しているため、日本国内の組織が国内から海外サーバーを利用している可能性が高いと考えられます。
ドメインを調べただけで、他案件との共通点が浮かび上がってきた
セールスページやシステムのドメイン・サーバーを調べた時点で、過去に取り上げた案件との類似点が浮かび上がってきました。
どちらも、自動売買システムをうたっており、運営元は海外法人でした。
セールスページが同じサーバー内に格納されていただけでなく、LINEへの誘導の流れ、SSL化されていないシステムページ、システムページにTradingView社の高機能ウィジェットを埋め込んでそれっぽい体裁をつくろっているところ等、共通点が多く見られる案件です。
「パブリックプラスα」のサーバーIPは、「EAGLE」「FOX」とは異なるものですが、セールスページを格納しているサーバーがGMOのものだったり、システムが格納されているサーバーが「EAGLE」と同じようにロシアにあったりと、偶然とは思えない気がします。
「パブリックプラスα」の登録検証を行っていくと、どんどん類似点が見えてくるよ。
特定商取引法の表記
LINE登録後にアクセスできるシステムサイトにて、特商法の表記を確認できました。
販売会社 | public.Company |
代表取締役 | 佐野昭光 |
メールアドレス | public@pplus-system.com |
所在地 | Level 41, Gangnam Finance Center, 152 Teheran-ro, Gangnam-gu, Seoul, |
報酬引き渡し方法 | 方法:銀行振込 |
記載されている住所は韓国。
海外法人ということですが、連絡先電話番号や法人番号は記載されておらず、本当に存在している法人かは分かりません。
それにしても、法人があるのは韓国なのに、ドメインの取得は日本国内の業者を利用、システムを格納しているサーバーがあるのはロシアとおかしな法人ですね〜。
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられています。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
所在地にあるのは、バーチャルオフィスサービスを提供するレンタルオフィス
会社所在地にあるのは、Gangnam Finance Center(ガンナムファイナンスセンター)というレンタルオフィスです。
こちらのレンタルオフィスは、住所貸しの「バーチャルオフィス」サービスも提供しているため、public.Companyがバーチャルオフィスを利用している可能性もあります。
Googleの詳細検索設定で、地域を「韓国」に設定して「public.Company」を検索しても、それらしい法人はヒットしませんので、そもそも法人が存在するかも不明です。
パブリックプラスα に登録してみた
自動システムを確認するために「パブリックプラスα」へ登録してみました。
EAGLEやFOXと同様、【公式】LINEアカウント、サポートセンターLINEへ登録させられ、さらにLINEと「パブリックプラスα」のシステム(WEBページ)を連携させられるという、全く同じ流れです。
連携後の流れは以下のようになっています。
1.3日間パブリック+αアプリを使用する
2.実際にシステムで稼いで頂く
3.3日後→受取口座情報登録
4.獲得残高の受取り
パブリックプラスαはアプリではなく、単なるWEBページ
LINEと登録メールアドレスの連携が完了するとシステムの案内が届きます。
「パブリックプラスα」アプリとの案内ですが、「パブリックプラスα」はアプリではなく、単なるWEBページです。
案内されるのは、こちらのSSL化(セキュリティ化)されていないWEBページ
登録したメールアドレスと共通パスワードでログインするわけですが、共通パスワードというのもEAGLEやFOXと同じです。
金融サイトなのにセキュリティ(SSL)もなし、個人を識別するのはメールアドレスのみで、パスワードは1つのみというあり得ない仕様です。
きちんとしたシステム組むと、それなりにお金かかっちゃうからね。
知識のない人向けに、それっぽく作ってるだけだろうから、あまり費用かけなかったんじゃない?
バイナリーオプション?
システムにログイン後「BET」のボタンをクリックすると、残高が増えますが、売買取引をしている様子はありません。
おそらくバイナリーオプションを装っているのでしょうが、「上昇」「下落」のどちらにBETしたかも、何の通貨にBETしたかも表示されないなんて、ありえないでしょ。
そんなことしたら、下落にBETしてるのに実際は上昇したりしてるのがバレちゃうからね。
これは自動でBETしてるわけではなくて、単純に数字が増えているだけ。
続けて「BET」のボタンを押したら「最終購入から30秒間は購入できません」の警告が表示されます。
BETを押してから、30秒以上も経っているにも関わらずです。
さらに、ページをリフレッシュ(更新)するとログアウトしてしまうというお粗末な仕様。
非SSLだし、ツッコミどころがたくさんです。
なんだか、システムのバグを探すデバッガーの気分になってきたよ。
とりあえず、システムっぽい体裁を作っているだけで、細部を作る込む必要なんてないんで、まぁこうなりますよね。
ページに埋め込まれたチャートは、やっぱりTradingViewのウィジェット
ページには、ビットコインのチャートと暗号コインヒートマップが埋め込まれています。
これは、単純に現在の値動きが表示されているだけで、「パブリックプラスα」が売買をしている様子ではありません。
しかも、これらは「パブリックプラスα」が作成したものではなく、TradingView社の高機能ウィジェットをページ内に埋め込んでるだけです。
何も知らない投資初心者であれば、何らかの投資が行われているように見えるかもしれませんが、単純に誰でも利用できるウィジェットが表示されているだけ。
TradingView社のページでは、様々な無料ウィジェットが利用可能です。
好みの設定を選ぶだけでHTMLコードを吐き出してくれ、ソース内に吐き出されたHTMLを貼るだけで、WEBサイトやブログが豪華な感じになります。
試しに、このページにも同様のウィジェットを埋め込んでみます。
ね?簡単に表示できちゃうでしょ?
これもFOXやEAGLEと同じだね。
他社が提供する無料サービスを埋め込んで、それっぽいページに仕立てているだけで、売買システムが動いている証拠はどこにもありません。
リスク警告はEAGLEやFOXと全く同じ
ページ下に記載された「リスク警告」は、EAGLEとFOXに記載されていたものと全く同じものです。
バイナリーオプション及び金融派生商品 (デリバティブ) の取引には重大なリスクが伴い、 当初の投資額を失う可能性や、 多くの場合、 当初の投資額を超える損失を被ることもあるため、 損失分を十分に考慮してお取引をする事をお勧めしております。
当社は、マーシャル諸島共和国の事業会社法の規定のもと認可を受けている企業になります。 当ウェブサイト上の商品・サービスは、アメリカやニュージーランド等のオプション取引に対して規制がされている国や地域では、 ご利用が出来ません。
そして当ウェブサイトの情報は、オプション取引の禁止国では、お客様にはご案内できるものではない旨をご理解下さい。暗号資産取引におけるリスクについて十分に理解し、 ご納得なされた上で、お客様のご責任とご判断で暗号資産の取引を行ってください。
引用元:http://eagle-tool.jp/
マーシャル諸島の企業登録を管理しているInternational Registries, Incのサイトで法人検索をかけてみても、もちろんEpublic.Companyなんて法人はヒットしません。
マーシャル諸島の法人認可なのに、韓国が会社所在地、ドメインの契約先は日本の企業、システムのサーバーがあるのはロシア。
もうめちゃくちゃです。
プライバシーポリシーページのURLは出会い系サイト
「パブリックプラスα」のなんちゃってシステムページのドメインは「pplus-tool.com」ですが、「特定商取引法に基づく表記」「よくある質問」「システム使用法」ページのドメインは「pplus-systems.com」と、ドメインが異なります。
上記画像の通り、ドメインは「pplus-systems.com」となっています。
このドメインですが、最上層となる、http://pplus-systems.comへアクセスすると、表示されるのは「パブリックプラスα」という出会い系サイト。
資産運用システムの「特商法」や「プライバシーポリシー」ページが、出会い系サイトに格納されているのは、明らかに不自然です。
出会い系サイト「パブリックプラスα」の運営会社
この出会い系サイトにある「特商法ページ」を見てみると、運営会社は「AFFLUENT CITY LIMITED」となっています。
資産運用システム「パブリックプラスα」の運営は「public.Company」
出会い系サイト「パブリックプラスα」の運営は「AFFLUENT CITY LIMITED」
ということになります。
「AFFLUENT CITY LIMITED」の所在地はセーシェルのようですが、どちらの会社も存在自体が怪しいので、架空の法人である可能性が高いと思います。
「AFFLUENT CITY LIMITED」で検索すると、予想通り評判は散々です。
パブリックプラスαは他の出会い系サイトと似ている
出会い系サイト「パブリックプラスα」についても、先日取り上げた「サクッとお仕事サービス」の「AAP」と酷似しています。
以下、APPの画面キャプチャ。
この「見た目」の出会い系サイトですが、他にも無数に存在しています。
これらの出会い系サイトは、デザイン、つくり、ソースコードに至るまでそっくりです。
同じ組織が運営しているのか、それともサイトを作ったシステム開発会社が同じなのか、とにかく無数にある類似サイトには何らかの関係があると考えるのが自然です。
マネーランクアップも同様だね。
パブリックプラスα の料金は?
3日間、ポチポチ自動売買を続けると、個人情報や銀行口座情報を登録するように促されました。
口座情報を登録したところで、支払う意志があるという見せかけでしょうから、口座情報が正しいものか確認すらされません。
利益を引き出すためには手数料等を請求されるのがオチでしょう。
パブリックプラスα の総評
管理人の意見としては、全くオススメできません。
EAGLEやFOXと同様、怪しい所だらけの「なんちゃって資産運用システム」です。
・海外サーバーを利用(おそらく身元を分かりづらくするため)
・本当に実在するのかわからない海外法人
・暗号化されていないURL
・売買の実態(ハイローどちらにBETしたのか)が確認できないトレードページ
・他社のサービスを埋め込んで、それっぽく作られたバグだらけのシステムページ
・出会い系サイトとの繋がり
他にも、おかしな箇所をあげればキリがありませんし、こんな投資運用ありえません。
投資を始めるなら、基本的なことを勉強してから、信頼のおける取引所を利用しましょう。
以上、「パブリックプラスα」についてでした。