本日は、海外取引所「OrbiMount」について検証していきます。
こちらは、Yahoo!知恵袋にて質問のあった取引所ですが、調べてみると不審な点がいくつか見受けられましたので、調査結果をまとめておきたいと思います。
Yahoo!知恵袋での質問内容
Yahoo!知恵袋では、OrbiMountに関して、以下の質問が投稿されていました。

引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12309967787
質問者の知り合いが、どのような経緯でこの取引所にたどり着いたのかは不明ですが、可能性として以下のような経路が考えられます。
- フェイクニュース:著名人の写真を使用した嘘のネット記事からの誘導
- SNSからの誘導:TwitterやFacebook、TikTokなどでの投資勧誘
- マッチングサイトからの誘導:マッチング相手からの紹介
- ネット広告:ネット上の広告からの誘導
これらの経路は、怪しい投資コミュニティや不審な取引所に誘導する手段としてよく使われています。
特に、こういったものからの不明瞭な取引所への誘導には十分に注意が必要です。
OrbiMountのサイトについて
以下は、OrbiMountの公式サイトキャプチャです。

引用元:https://orbimount.io/
右下の「English」タブをクリックすると、対応言語の一覧が表示されます。

引用元:https://orbimount.io/
「英語」「スペイン語」「イタリア語」などヨーロッパを中心とした各国言語の他に、アジアでは「日本語」「中国語」「韓国語」など、全部で14か国語に対応しています。
取引商品の情報不足
OrbiMountは、ブローカーをうたっていますが、サイトには取り扱い商品に関する詳細が記載されていません。
例えば、取扱商品の1つである「仮想通貨」に関する説明は、以下の内容があるのみです。

引用元:https://orbimount.io/ja/assets/
仮想通貨に関する概要説明のみで、OrbiMountでの取り扱い仮想通貨の一覧などはありません。
FXについても、取り扱い通貨ペア一覧がありません。
それだけでなく、取引手数料や取引条件に関する大切な情報の記載もありません。
通常、信頼できる取引所であれば、口座開設の前に、こうした情報は明確に記載されているため、OrbiMountは、透明性に欠ける取引所だと言えます。
ドメイン情報の不審な点
以下は、2025年2月17日時点のサーバー・ドメイン(https://orbimount.io/)情報です。
ドメイン | orbimount.io |
サーバーIP | Main IP:2606:4700:3030::6815:7001 |
ISP | Cloudflare Inc |
ドメイン取得日 | 2024年12月30日 |
SSL証明書の種類 | Google Trust Services |
サイトが格納されているのはクラウドサーバーです。
ドメインが取得されたのは昨年末(12月30日)ですので、サイト開設から2ヶ月未満の新しいサイトであることが分かります。

どおりで、検索してもあまり情報がないわけだ
ドメインの登録者情報を確認すると、ドメインサービス業者「Eranet」の情報になっており、登録者の情報を秘匿していることが分かります。


個人や中小企業がWhois情報公開代理サービスを利用するのは一般的ですが、金融ブローカーが登録者情報を非公開にしている場合は、慎重に検討する必要があります。
特に、取得されたばかりのドメインで運用実績もなく、登録情報が非公開になっている取引所は、信頼性に欠ける可能性が高いため、利用を避けるべきです。
規制組織「Digital Asset Authority」の信頼性に疑問
OrbiMountは、Digital Asset Authorityという組織によって規制されていると主張しています。
以下は、OrbiMountサイトフッターに記載されたライセンス情報です。


引用元:https://orbimount.io/ja/assets/
ライセンス番号「DDA-REG-8706C」をクリックすると、「Digital Asset Authority」のページへ移動します。


引用元:https://digitalassetauthority.com/brokerlist/orbimount/
こちらを確認してみると、OrbiMountの登録日は2024年6月28日と記載されています。
しかし、OrbiMountのドメインが取得されたのは2024年12月30日です。
つまり、OrbiMountは、ドメイン(orbimount.io)を取得する前にライセンスを取得したことになります。
公式サイトや、実際に稼働しているオンラインプラットフォームを確認できる状況ではなかったはずなのに、「Digital Asset Authority」は、OrbiMountにライセンスを発行したということです。
通常、ドメインや事業体が存在しない状態でライセンスを取得することは考えにくいため、規制機関「Digital Asset Authority」の信頼性は疑わしいと言わざる得ません。
さらに、Digital Asset Authorityは、自社サイトにて、安全性の高いFCAライセンスを取得している「OANDA証券」がDigital Asset Authorityのメンバーであるとしていますが、「OANDA証券」サイトには、Digital Asset Authorityのライセンを取得しているとの記載がありません。
Digital Asset Authority参照元:https://digitalassetauthority.com/brokerlist/oanda/



規制の厳しい英国のFCA(Financial Conduct Authority)ライセンスを取得している証券会社が、あえて謎のライセンスを取得しているとは考えにくいよね



むしろ、信頼度が下がりそうだもんね
OrbiMountの法人登録情報が見当たらない
OrbiMountの問い合わせページには、イギリスとシンガポールの拠点情報が記載されています。


引用元:https://orbimount.io/contact/
左は、上段がイギリス、下段がシンガポールの電話番号です。
(イギリスの国番号44+07488872814、シンガポールの国番号65+06560348751)
両方の電話番号で検索を行ってみましたが、特にめぼしい情報は発見できませんでした。
中央は、イギリス、シンガポールの所在住所ですが、どちらの住所にもオフィスビルがあります。
しかしながら該当するオフィスビルにOrbiMountという会社が入居しているというような情報も見つけられませんでした。
OrbiMountのサイトには、運営会社の情報が記載されていないため、「OrbiMount」が運営会社名だと考えられます。
そこで、イギリス国内における「OrbiMount」の会社登記を調べてみました。
(シンガポールは法人データベースサイトがありません)
英国の法人登記データベース(https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/)で検索しましたが、OrbiMountという名の法人登記はありません。
通常、イギリスに拠点を構える企業であれば、会社情報が公的なデータベースに登録されているはずですが、それがないという点も信頼性を疑う要因となります。
OrbiMountの総評


検証の結果、OrbiMountの利用は避けたほうが良いと判断します。
- 公式サイトに取引条件や手数料などの情報が不足している
- ドメインが最近取得されたばかりで、ドメイン登録者情報が秘匿されている
- OrbiMountにライセンスを発行しているライセンス規制機関が信頼に足るものではない
- ライセンス登録日とドメイン取得日の矛盾がある
- イギリスの法人登録情報が確認できない
新しくできたブローカーのためネット上での口コミなどは確認できませんが、現時点では、この取引所を利用することは非常にリスクが高いと考えられます。
今後も新たな情報が判明次第、随時更新していきます。
もしOrbiMountに関する追加情報をお持ちの方は、ぜひ情報をお寄せください。
以上「OrbiMount」についてでした。