本日の取り上げるのは「Masters Bank」です。
完全放置で月利20%が狙える最新投資システムとのことですが、どのようなロジックで利益を上げるのでしょうか。
Masters Bank セールスコピー
まずは、セールスページのコピーを見てみます。
引用元:https://mbankrnck.com/lp/btgzr2742/
- 今日からあなたのお仕事は毎日、口座をチェックする事です。
- あなたがやる事は銀行の預金(3万円〜)を一部移すだけ!
- 完全放置!1日0秒で月利20%が目指せる!
- 月収100万円以上も狙える最新投資システム
- 10万円でも良いので、Masters Bankに置いておくだけで毎月20%ずつ資産を完全自動で増やす事が可能となり、たった数か月・・・数年で恐ろしい資産を築くことが可能になるでしょう。
Masters Bankは、毎月20%ずつ資産が増える投資システムとのこと。
年利ではなく月利20%なんていう高利回りを安定的に継続するなんて、本気でしょうか?
一時的に20%の利益を上げることはできても、20%もの利益を毎月継続するなどということは、現実的ではありません。
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月利20%だと、10万円が1年後に89万円、2年後には794万円なんていう非現実的な増え方するってことだよ!
Masters Bank サーバー・ドメイン情報
以下、2024年2月6日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | mbankrnck.com |
サーバーIP | 2403:3a00:101:21:133:167:10:36, 133.167.10.36 |
ISP | SAKURA Internet Inc. |
ドメイン取得日 | 2024年11月25日 |
SSL証明書の種類 | ドメイン認証型(Let’s Encrypt) |
このサーバーには、尾崎圭司の「MyList」、武田真一の「新型給付金ONE」、菅原淳一の「ドリームサポーター」、滝沢賢治の「MARKET」などが格納されています。
これらの案件は、ページの作りや誘導フローが似ていたり、共通の人物が動画に登場していたりと類似点が多く、何らかの関係性が伺えます。
特定商取引法の表記
特商法のページに記載されているのは以下5項目のみ。
運営統括責任者 | 甲斐雅人 |
住所 | 長野県岡谷市川岸東5-16-34 |
メールアドレス | kai@mbankrnck.com |
商品の引き渡し時期 | お申込み完了後、ご登録のメールアドレス宛にご連絡いたします。 |
表現及び商品に関する注意書き | 本商品に示された表現や再現性には個人差があり、必ずしも利益や効果を保証したものではございません。 |
金融システムを提供する運営側が、会社名や連絡先電話番号を明かしていない時点で、非常に危険です。
通常、現金を預かって運用したり、会員制の自動売買システムを提供する場合、金融商品取引業の登録(=金商取得)が必須ですが、これでは登録の有無以前の問題です。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
特商法に記載の住所を確認すると
特商法に表記された住所(長野県岡谷市川岸東5-16-34)を、Googleストリートビューで確認すると、山あいに数件の民家があるだけで、会社のようなものは見当たりません。
国税庁サイトで検索すると、所在地を「長野県岡谷市川岸東5-16-34」としているのは、「有限会社大和社」「合同会社TENDER」の2社です。
両社とも公式サイトもなく、検索しても情報を得ることはできませんでした。
Masters Bankがこの2社のいずれかによって運用されているかは不明ですが、金融関連の会社や支店がこのような場所に存在するとは考えにくく、非常に不審に思われます。
Masters Bankに登録してみた
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セールスページからメール登録、LINE登録を行ってみました。
早速、URLが送られてきて、第1話と題された50分の動画を視聴することになります。
その後、第2話、第3話、最終話と続き、合計4本の動画が送られてきます。
ナビゲーター藤田直也
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=GHjWltEzxnY
動画にナビゲーターとして登場するのは、「藤田直也」という男性ですが、この人物は吉岡勝利の「Winners Life」でも、ナビゲーターとして登場していました。

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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=u_iOFKKYA-g
左側の男性が「藤田直也」です。
ちなみに右側の吉岡勝利は、クロスリテイリングの無双という商材動画に「伊藤さん」というモニター役で出演していたこともあります。
Masters Bankは矛盾だらけ
第1話の動画を視聴しましたが、なぜMasters Bankでお金が増えるのか、全く理解できません。

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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=GHjWltEzxnY
甲斐雅人の説明によると、Masters Bankには以下のような特徴があります。
- Masters Bankは、銀行ではなくスマートフォンやパソコンにダウンロードして利用できるシステム
- Masters Bankに、少しのお金を移すだけで、福利の力で元手が増える
- 起動したら放置するだけ、システムを操作する必要もない
Masters Bankは、銀行や取引プラットフォームではなく単にシステムなのに、どうやって、どこにお金を預けろと言うのでしょうか?
動画の視聴を続けると、Masters Bankが「為替」で儲ける仕組みであることが明かされます。
いわゆるFXトレードです。
Masters Bankは、FXの自動売買システムというわけです。


引用元:https://www.youtube.com/watch?v=GHjWltEzxnY
FXに関する基本的な知識があれば、どんなに優秀なシステムやEAを使用しても、FXで月利20%の利益を安定して出し続けることが現実的でないことは容易に理解できるでしょう。
仮想通貨のCoin Bankでトータル月利30%
2話の動画では、新たなシステム「Coin Bank」が登場します。
Masters Bankの仕組みを使って、仮想通貨の取引を行うシステムらしく、Masters Bankと合わせて月利30%を目指せるそうです。
月利30%を継続できるとか・・・
もはや呆れるほかありません。
Masters BankもCoin Bankもシステムだと言い張っていますが、お金は一体どこに預けるというのでしょうか?
FX等でシステムやEAを稼働させるのであれば、いずれかのブローカーに資金を入金しなければなりません。
動画では、いつまで経っても入金先の説明がありません。
もしや、資金を通常の銀行口座に振り込めなんて言うんじゃ・・・
Masters Bank開発者 甲斐雅人とは?
Masters Bankの開発者を名乗り、動画に登場するのは「甲斐雅人」という人物です。
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
引用元:https://mbankrnck.com/lp/btgzr2742/
もしこの人物が本当にメガバンクや外資系ファンドに勤めていたのなら、動画のような説明をするはずがありません。
どれほど優秀な投資家であっても、どんなに高性能なシステムを使おうとも、月利20%を継続することが不可能であることを、誰よりも理解しているはずだからです。
おそらくこのプロフィールは作られたもので、甲斐雅人という人物は存在しないのでしょう。
この男性も、動画撮影のために雇われただけかもしれません。
実際に、クラウドソーシングサイトなどで、このようなローンチ動画の出演者を募集しているケースが見受けられます。
報酬が良いからといって、このような商材のローンチに関わるのは慎重に考えるべきです。
一度ネットに公開されれば、画像や動画は半永久的に残り、責任を問われるリスクも十分に考えられます。
Masters Bankの料金は?

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最終話を視聴した2日後、Masters Bankの募集開始となります。
「明後日の19時受付開始」といった煽り文句が使われますが、実際にはメッセージがスケジュール通りに自動で送信されているだけです。
つまり、一斉に募集が始まるわけではなく、視聴者それぞれの状況に応じて進行していくに過ぎません。
その証拠に、最終話の動画は、2025年1月13日にYouTubeにアップロードされています。
つまり、3週間前に公開された動画だということです。
2日後に送られてきた参加費価格は、288,000円
30万円近くの費用を支払ったところで、稼げる可能性はほぼないでしょう。
むしろ、この参加費を支払ってしまうと、運用資金の追加投入を求められ、さらにお金を失うリスクが高まる可能性があります。
Masters Bankの総評
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
月利20%や30%を継続できる投資なんてものを信じてしまう方は、投資について調べてみましょう。
そんな利率を継続して達成することが不可能なのがおわかりいただけると思います。
少し難しい話になるので説明は省きますが、「Masters Bank」は、「新型給付金ONE」と関係する組織が作ったものです。
WordPressやHTMLに詳しい人間であれば、「Masters Bank」のページを少し調べるだけで「新型給付金ONE」との関連性を見つけることができます。(ページ制作者の技術レベルが低いため、各所に粗があるのです)
金融システムを提供する組織が会社名を伏せ、電話番号すら記載しないなど、本来あり得ない話です。
「Masters Bank」には関わらないのが賢明です。
以上、「Masters Bank」についてでした。