本日の検証案件は、大手証券会社が認めたとうたう収益システム、その名も「RAZE(レイズ)」です。
とはいえ、具体的な証券会社の名前は一切出てきません。
「大手証券会社」とだけ主張されている時点で、すでにかなり怪しげな雰囲気が漂っています。
果たして、このRAZEとはどのようなシステムなのでしょうか?
RAZE(レイズ)セールスページの矛盾点
まずは、セールスページから気になるコピーを拾ってみます。
引用元:https://raze-sakuma.com/lp/lp3h/
- 期間限定先着100名
- 大手証券会社が認めた作業ゼロ収益システムをまずは無料で
- 判断不要×自動利確 毎日5万円
- RAZEの投資ロジックは大手証券会社から正式に認可を受けています
- RAZEは0.1秒の相場の値動きに対し0.0秒で高速利確を行うシステム。
誇大広告のオンパレードだと感じるのは筆者だけでしょうか。
期間限定先着100名
この手の常套句です。
いつアクセスしても「期間限定」だったり、「残り◯名」がずっと埋まらないのがネット副業界あるあるです。
急かすことで冷静な判断力を奪うのが狙いではないかと考えられます。
というのも、ページ内には「モニター募集は残り1名」との表示がありますが、こちらは1週間以上この状態であることを確認済みです。
試しに複数の検証用LINEアカウントを使って、LINE登録しても、全てのアカウントにモニターの案内が届くため、この「残り1名」が虚偽であるということが分かります。
大手証券会社が認めた作業零収益システムをまずは無料で
具体的な社名は出さず、「大手証券会社」というあいまいな表現だけ。
しかも「作業ゼロで収益」という、夢のようなコピー付きです。
「無料」と言われるとつい気になりますが、後から高額なサポート費や契約を迫られるのが定番パターンです。
判断不要×自動利確 毎日5万円とメディア掲載の事実
もし本当に「判断不要で毎日5万円」なら、すでに多くの人がやっていて、ニュースになるレベルです。
セールスページにも「メディア掲載実績」として、複数の媒体のロゴが掲載されています。

引用元:https://raze-sakuma.com/lp/lp3h/
検索してみるとRAZEについて触れているページが見つかりました。
一見「ニュースに取り上げられている」と思わせるRAZEの紹介記事ですが、その実態は「アットプレス」というプレスリリース配信サービスを使って、自社で出稿した「広報用の記事」です。
確かに、上記のいくつかののサイトにプレスリリースが転載されてはいますが、これは「報道」ではなく、「PR記事」です。
メディア側が取材・検証したものではありません。
しかも興味深いのは、実際のプレスリリースには、セールスページで主張されているような以下のフレーズは一切登場しないという点です。
「毎日5万円」
「判断不要で自動利確」
「大手証券会社が認可」
「0.0秒で高速利確」
これらは、「誇大な演出」とみなされ広告出稿規定に触れるため、プレスリリースからは省いたのでしょう。
つまり「報道された実績がある」ように見せかけつつ、セールスページで主張しているようなことは書かれていません。
あくまで「見せかけの信頼感」を演出するための仕掛けにすぎないのです。
大手証券会社から正式に認可を受けている
「正式に認可」とまで書くなら、証券会社名や認可番号、認可日などを記載すべきです。
しかしそれらの情報は一切なし。
証券会社が個別の自動売買システムを「認可」すること自体、かなり疑わしい話です。
金融庁の認可や登録番号も見当たりません。
0.1秒の相場の値動きに対し0.0秒で高速利確を行うシステム
「0.0秒」という時点で物理的に不可能です。
たとえどんなに高速なAIでも、処理や通信には必ずラグが生じます。
技術的な誤魔化しをしているか、単なる演出である可能性が高いです。
RAZE(レイズ)サーバー・ドメイン情報
以下、2025年5月3日時点のサーバー、ドメイン情報です。
ドメイン | raze-sakuma.com |
サーバーIP | 13.32.164.38 |
ISP | Amazon.com, Inc. |
ドメイン取得日 | 2025年4月3日 |
SSL証明書の種類 | Amazon |
ドメイン取得は、1ヶ月前。
公開されて間もない商材だと考えられます。
RAZE(レイズ)特定商取引法の表記
以下「特定商取引法に基づく表記」に記載されている項目です。
販売者名 | 鈴木商事株式会社 |
代表取締役 | 鈴木 正二 |
所在地 | 〒513-0809 三重県鈴鹿市西条6丁目96天神ビル3C |
電話番号 | 050-1724-0003 |
メールアドレス | azone.jimukyoku@gmail.com |
入口となるページの特商法には、価格や返品、返金に関する記載がありません。
最終的な申込みページで、価格、返品についてなどが記載されているのですが、有料商品である以上、入口となるページにも記載すべきでしょう。
上記の特商法は主なものを一部抜粋して掲載しています。
特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法は、消費者トラブルがおこりやすい取引類を対象に、消費者の利益を守るために定められた法律です。
重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
特商法の表記があるから絶対安心というわけではありませんが、販売業務を行うにあたっては表記が義務付けられているので、特商法の表記がないものには注意が必要です。
特定商取引法(特商法) クリックで詳細表示
特定商取引法に基づいて、インターネット上の取引では
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
- 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
などの表記が義務付けらています。
参照:特定商取引ガイド
鈴木商事株式会社とは?
販売事業者である「鈴木商事株式会社」について調べてみました。
鈴木商事株式会社
・法人番号指定年月日 令和2年(2020年)8月6日
・法人番号 9190001027560
・本店又は主たる事務所の所在地 三重県鈴鹿市西条6丁目96天神ビル3C
「鈴木商事株式会社」のホームページ(https://sync-suzuki-inc.com/)を見てみると、「衣料品、アクセサリー、バッグ、時計などの企画・製作」、「ソフトウェア開発」、「企業戦略の立案、企業革新、M&A支援事業」などの事業を行っている会社のようです。
「鈴木商事株式会社」公式サイトからわかること
「鈴木商事株式会社」のホームページ(https://sync-suzuki-inc.com/)ドメインを調べてみると、いくつかの事実が浮かび上がってきました。
ドメイン | sync-suzuki-inc.com |
サーバーIP | 162.43.101.70 |
ISP | Xserver Inc. |
ドメイン取得日 | 2025年4月4日 |
SSL証明書の種類 | Let’s Encrypt |
ドメイン取得は、先月の4月4日。
セールスページのドメインが取得されたのが4月3日ですので、1日遅れで会社サイトのドメインを取得していることが分かります。
会社が法人登録されたのは、令和2年8月ですが、それまでにホームページは存在しなかったのでしょうか?
まるでセールスページの制作と合わせて会社ホームページが用意されたような印象を受けます。
さらに、ドメインの取得者情報を見てみると、ドメインの登録者は「鈴木商事株式会社」ではなく、「Lightningpremium Inc.」であることが分かります。

「Lightningpremium Inc.」は、「株式会社ライトニングプレミアム(現在の社名:株式会社アシスト)」です。
株式会社ライトニングプレミアム(現:株式会社アシスト)は、「坂本よしたか」が代表を務めていた会社です。
このことから、「鈴木商事株式会社」と「株式会社ライトニングプレミアム(現:株式会社アシスト)」は、何らかの関係性があると考えるのが自然でしょう。
RAZE(レイズ)開発者、佐久間陽翔とは
RAZE(レイズ)の開発者を名乗るのは、佐久間陽翔という人物です。

引用元:https://raze-sakuma.com/lp/lp3h/
自称、元エンジニアとのことですが、検索してもこの人物がエンジニアであるとか、投資家であるといった情報は見つかりませんでしたので、この人物が本当に「佐久間 陽翔」という名前なのかすら分かりません。
RAZE(レイズ)に登録してみた

セールスページで、メールアドレス・LINE登録した後は、3回にわたり説明動画を視聴し、申込みへと繋がります。
RAZE(レイズ)の動画を視聴してみた
第1話の動画には、開発者「佐久間 陽翔」を名乗る男性と、「大森敦弘」、インタビューアーの「足立梨花」という女性が登場します。
「大森敦弘」は、数々の商材動画に登場しているので、今更説明も要らないかと思います。
インタビュアーを務める女性についても、本名は「足立梨花」ではありません。
単純に動画出演者として雇われたナレーターです。
1話の動画では、RAZE(レイズ)の投資対象やロジックなどは明かされません。
2話は、個人を招いた自動売買の実践検証を行っています。
また、RAZE(レイズ)がFX取引のEAだということが明かされます。
プレスリリースとの大きな矛盾
この時点で、すでに触れたプレスリリースとの矛盾があることが分かります。
RAZE(レイズ)は、動画では「判断不要で自動売買」と夢のようなことを語りつつ、外部に出すプレスリリースでは「投資関連サービスを支える法人向け業務支援機能」という体裁をとっています。
サービスの対象は、投資アドバイザー事業者、金融商品仲介業者、証券系コンサルタント、富裕層向け資産形成サービス、FP(ファイナンシャルプランナー)法人、保険・不動産と投資を複合展開する代理店業者 など、あくまで法人向けを想定していると記載されています。
にもかかわらず、動画内では一般の個人ユーザーに実際にシステムを使わせている様子が映されており、「誰に向けたサービスなのか」という点で大きな矛盾が生じています。
「返品について」の条件がおかしい
最終的な申込みページの特商法に「返品について」の記載がありますが、こちらについても注意が必要です。
「返金保証条件」が記されていますが、その実態は極めて限定的かつ条件が厳しすぎて、実質返金されない構造になっています。
たとえば、返金対象となるのは「初期設定が完了したにもかかわらず、システムが起動しない場合」だけです。
システムが動いてしまえば、儲からなくても返金されないということです。
しかも返金申請は「サポート期間(6カ月)終了後の7日間のみ」。
途中で「やっぱりやめたい」と思ってやめたら、その時点で返金対象外になります。
さらに、分割払いで契約していた場合は、途中で退会しても残金を支払う義務があると明記されており、利用者側に一方的なリスクを負わせる形になっています。
実質的に返金される可能性が限りなく低く、トラブル回避のためにも非常に慎重になるべきです。
RAZE(レイズ)の価格は

RAZE(レイズ)を利用するには、「RAZE FLARE GATE(レイズ・フレアゲート)」というコミュニティに参加する必要があります。
コミュニティ参加価格は、
キャッシュレス・銀行振込一括払い:198,000円(税込)
キャッシュレス決済2回払い:128,000円(税込)
キャッシュレス決済3回払い:89,000円(税込)
この金額を支払ったところで、矛盾だらけのシステムが利益を生み出せるとは思えませんが・・・
RAZE(レイズ)の総評

広告費を支払ってプレスリリースを出すことで、信頼性を高めたかったのでしょうが、かえってそれが仇となっているのが、今回のRAZE(レイズ)です。
実態は根拠の薄い誇大広告や矛盾した情報にあふれています。
法人向けを装いながら一般ユーザーをターゲットとし、返金条件も極めて限定的。
信頼性に欠ける、非常に注意が必要な案件と言えるでしょう。
以上、「RAZE(レイズ)」についてでした。