本日は、海外FX取引所「IS6FX」について検証していきたいと思います。
IS6FXとは?
IS6FX(アイエスシックスエフエックス)は、オンラインのFX取引プラットフォームを提供する海外FX業者です。
以前、取り上げた「永山和樹のアルゴリズム」「おゆちゃんのスパ投資」でも、FX口座開設先として指定されていた海外ブローカーです。
永山和樹の動画に出演していた「フィアナ」という女性も、FXトレーダーとして自身のサロンへユーザーを誘導していますが、ここで口座開設をすすめられるのも「IS6FX」です。
関係性がうかがえる人物たちが、揃って同じブローカを推奨しているんだね
海外ブローカーですので、令和3年12月に金融庁からの警告も出されています。
IS6FXの前身は、is6com
「IS6FX」の前身は、2017年に設立された「is6com」というブローカーです。
「IS6FX」の公式ホームページによれば、セーシェルに拠点を置く「TECワールドグループ」という会社が、2020年9月に「is6com」を買収し、その翌月2020年10月に「IS6FX」としてリニューアルしました。
「IS6FX」の前身である「is6com」ですが、ネット上での評価はあまり良いものではありませんでした。
“利点なし 200%入金ボーナスを謳い金を集め自転車操業の業者(多分)
出金処理も超遅い、ポジション保有中は1000円すら出金拒否 悪い点しか見当たらないです”“Is6comは海外業者ということになってますけど、おそらく日本のグループによる似非海外業者です。”
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12231248982
サーバー切れるのは当たり前レベルですね。まだ良いほう。
とにかく出金が1番ひどいです。
4月2日に出金依頼したものの4月29日現在着金していません。
1ヵ月の遅延出金が平常運転で、未だに3月出金されていない人もいます。
そのうちis6comは潰れて飛ぶと思うので、絶対に入金しないでください。
ボーナスを派手にして資金集めに躍起です。ご用心してください。引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11223781696
SNS等でも、「is6com」については、「出金拒否された」などの書き込みが溢れており、散々なものでした。
海外のブローカレビューサイト「FPA」でも、3件の口コミが投稿されていますが、2件は出金拒否にあったという投稿です。
評判のよくなかった「is6com」の跡を引き継いだのが、「IS6FX」というわけです。
IS6FX サーバー・ドメイン情報
以下、2024年12月21日時点のサーバー・ドメイン情報です。
ドメイン | is6.com |
サーバーIP | main IP : 207.54.10.140 |
ISP | Amazon.com, Inc. |
ドメイン作成日 | 2000年3月17日 |
SSL証明書の種類 | Let’s Encrypt |
ドメインが作成されたのは、24年9ヶ月前ですが、そのころからFXブローカーが存在していたわけではありません。
2016年に、売り出されていたドメインを「is6com」が購入し、2017年にFXブローカーサイトを公開。
その後、買収により、2020年10月12日から現在の「IS6FX」へとドメインが引き継がれています。
IS6FXは、日本人向けのプラットフォーム?
公式サイトを見ると、日本語の他に、「英語」「ベトナム語」「中国語」「スペイン語」に対応していることが分かります。
どうでもいいけど、HTMLソースを見ると、中国語のlang属性がcnになっていて、気持ち悪い
国別トラフィックについて
サイトは、多言語対応をしており、ベトナムにサポートセンターがあるとのことですので、世界数カ国からのアクセスがあると考えられます。
そこで、サイトのトラフィックを調べてみました。
日本国内からしかアクセスされていない!
驚くことに、100%日本からのアクセスとなっています。
なにかの間違いではないかと思い、さらに検証を行ってみました。
IS6FXのサイトは、https://is6.com/ へアクセスすると、https://is6.com/ja へリダイレクトされます。
つまり、is6.comと打ち込むと、日本語版ページへ自動転送されるようになっているのです。
多言語対応のWebサイトでは、ユーザーがアクセスしている国やブラウザの言語設定をもとに、自動的にそのユーザーに最適な言語のページに転送することがよく行われます。
例えば、
https://www.nike.com/(英語版)にアクセスすると、アクセス環境を自動判別してhttps://www.nike.com/jp/(日本語版) に転送してくれるよ
そこで、VPNサービスを利用して、台湾、ベトナム、スペイン、メキシコのIPアドレスで「IS6FX」サイトへアクセスしてみました。
通常であれば、アクセス元である各国の言語サイトへ転送されるはずです。
しかしながら、どの国のIPアドレスからアクセスしても全て日本語サイトへ転送されるのです。
これは、どの国からアクセスしても、デフォルトは日本語サイトが表示されることを意味します。
この現象から推測するに、サイト側でユーザーの環境を参照して言語を自動的に切り替える機能が働いていないか、あるいは意図的に日本語が優先されている可能性があります。
つまり、「IS6FX」は、日本人をターゲットとしたFXプラットフォームであり、多言語対応は見せかけの可能性もあるということです。
HTMLソースにも違和感
続いて、サイトを構成するプログラムであるHTMLソースを見てみました。
すると、外国語版サイトのHTMLソースの所々に日本語表記が残っていることが分かります。
これは、ベースとなるサイトを日本語話者が日本語版で作成し、その後、他の言語版に書き換えを進める際に、書き換え忘れている箇所があることを意味します。
また、各サイトで共通して使用されているJavaScriptファイルなどにも、コメントアウト部分に日本語が記載されていることから、サイトの制作者が日本語話者である可能性が高いと考えられます。
日本国外からIS6FXを検索しても、情報が少ない
続いて、Googleの検索設定を変更して「IS6FX」を検索してみました。
サポートセンターがベトナムにあるので、言語を「ベトナム語」、地域を「ベトナム」にして、「IS6FX」を検索した結果が以下です。
検索の結果、表示されたのは2件です。(しかもほぼ関連性無し)
サポートセンターのある国での、この検索結果は非常に違和感を覚えます。
TEC World Ltdと、 IS6 Technologiesについて
旧is6comの全運営権を買収したのは、コンサルティング&ホールディングス会社「TEC World Ltd」という会社です。
その後、「 IS6 Technologies」というグループ会社が設立され、「IS6FX」の運営を担っています。
グループを統括しているCEOが、Nuno Amaral(ヌーノ・アマラル)という人物です。
TEC World Ltdについて
まずは、母体となる「TEC World Ltd」について調査してみます。
参照元:https://tec-world.sc/
ITコンサルティングやマネージメントを生業とする会社 のようですが、所在地は租税回避地であるセーシェルですのでオフショア法人となります。
以下が、ホームページに記載された会社住所となります。
C/O Room B11, First Floor, Providence Complex, Providence, Mahé, Seychelles
先頭にあるc/oは、In care ofの略で、〜様方や〜気付の意味です。
実際にこの住所に会社が存在するわけではなく、住所のみを借りている状態だと考えられます。
その証拠に、上記住所を検索すると、相当数の法人が検索結果にヒットします。
Googleストリートビューで現地を確認すると、以下の建物が表示されます。
この建物1階に何十もの会社が入居しているとは考えられません。
CEOである、Nuno AmaralのLinkedinを確認すると、職歴の部分に2019年6月より「TEC World Group」のCEOであるとの記載があります。
さらに所在地が、イギリスのロンドンとなっています。
このことから、会社がロンドンにも存在している可能性が出てきましたので、英国の法人検索サイトにて同社を検索してみました。
「TEC World Ltd」、「TEC World Group」で検索をかけてみましたが、ロンドンに該当する法人は存在しませんでした。
これらのことから、「TEC World Ltd」は、実態のないペーパーカンパニーの可能性が出てきました。
IS6 Technologies Ltdについて
続いて、「IS6FX」の運営を担っている「IS6 Technologies Ltd」についてです。
公式サイトによると、拠点は租税回避地として知られるセントビンセントおよびグレナディーン諸島と、コモロ諸島に設置されています。
さらに、サポートセンターがあるのはベトナムとなっています。
IS6 Technologies Ltd (SVG) | Address:Suite 305, Griffith Corporate Centre, Kingstown, Saint Vincent and the Grenadines. |
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IS6 Technologies Ltd (Comoros) | Address:Bonovo Road – Fomboni Island of Mohéli – Comoros Union |
Mega Finance | Address:Suite210 St. Georges Building 22, St Georges Street Port-Louis Mauritius |
ベトナムサポートセンター | Address:6F Kim Khi Thang Long Bld, No1 Luong Yen Str, Bach Dang Ward, Hai Ba Trung Dist., Ha Noi City, Vietnam |
ライセンス番号 | GB21026947(Mega Finance, Mauritius) / T2023309 (Comoros, IS6 Technologies Ltd) |
セントビンセントおよびグレナディーン諸島の住所ですが、表記された「Griffith Corporate Centre」は、数多くの海外FXブローカーが所在地としている場所です。
「Griffith Corporate Centre」についてのGoogleの口コミを読むと、この場所の評判を参照することが出来ます。
世界各国の言語で「FXブローカーが本当に存在するのか?」「被害にあった!」「嘘の住所だ」などの書き込みが溢れています。
いくつかのコメントには、施設オーナー(家主)と思われる返信がついていますが、「実際のオフィススペースを提供しているわけではなく、オフィススペースワークソリューションを提供しているだけなので、詳しくは代理店に問い合わせしてくれ」との返信がついています。
つまり、実際の会社が存在するわけではなく、代理店を通して住所貸しを行っていることを、施設オーナーが認めるコメントが見られるのです。
この住所に会社が存在する可能性は低く、運営実態はないものと見られます。
コモロ諸島の住所についても、通りの名称までしか記載されておらず、詳細な場所は不明です。
ちなみに「Rev Trading」というFXブローカーが、同じ住所を所在地としています。
ベトナムにあるサポートセンターについては、「Luong Yen Str,」という、通りまではわかったのですが、いくら調べても「Kim Khi Thang Long Bld」というビルが検索にヒットせず、場所の確認ができませんでした。
(管理人の調査不足の可能性もありますので情報をお持ちの方はご連絡お待ちしています)
Mega Financeとは?
会社概要ページには、オフショア2拠点と、ベトナムの住所に挟まれて、「Mega Finance」という記載があり、租税回避地であるモーリシャスの住所が記載されています。
ここでの「Mega Finance」が何をする組織なのかは分かりませんが、記載された住所(Suite210 St. Georges Building 22, St Georges Street Port-Louis Mauritius)を調べてみました。
すると、住所を検索しても「St. Georges Building」というビルがヒットしません。
St Georges Streetまでは、たどり着けるのですが、このエリアに同ビルが見当たらないのです。
会社概要ページには、ライセンス番号の項目があり、以下のような記載があります。
GB21026947(Mega Finance, Mauritius)
Mega Financeが、モーリシャスで何らかのライセンスを取得しているということのようです。
そこで、モーリシャス金融サービス委員会(FSC)のサイトで、「Mega Finance」を検索してみました。
確かに、「MEGA FINANCE」という会社の登録が確認できましたが、おかしなところがあります。
IS6FXのサイトに記載された住所と、登録の住所が異なっているのです。
さらに調べてみると、IS6FXと無関係の「Mega Finance」(https://mefintech.com/)というブローカーが実際に存在しており、ライセンス番号「GB21026947」は、この会社が取得しているものだということが分かりました。
このブローカーが、どのようなブローカーかは分かりませんが、サイト内のどこにも「TEC World Ltd」や「IS6 Technologies Ltd」と関わりがあるといったことは記載されていません。
このことから、IS6FXは、無関係の会社のライセンス番号を自社サイトに記載している可能性があるということです。
Nuno Amaral(ヌーノ・アマラル)について
CEOを務めるのは、Nuno Amaral(ヌーノ・アマラル)という人物ですが、この人物についても調べてみました。
元GMOグループ
GMOグローバルサイン(GlobalSign LTD イギリス)CS
グローバル・バイスプレジデントインターネットセキュリティ事業、ソリューション事業、ホスティング事業のノウハウを生かし、コンサルティング&ホールディングス会社TEC World Ltdを設立。
旧is6comの全運営権を買収しIS6FXとしてFXブローカー事業をスタートする。
事業拡大、ブランディングに伴い、全社統合。IS6 Global Groupとし、 IS6 Technologiesを運営母体として現在に至る。引用元:https://is6.com/ja/company/about
世界的企業「GlobalSign」の出身とのこと。
本人のLinkedinの職歴によると、2017年から2019年まで、イギリスで「Global VP of CS」を努めていたことが分かります。
Global VP of CSということは、「国際的なカスタマーサクセスの最高責任者」であるということです。
大企業の部門責任者ですので、検索すれば何らかの情報が見つかる可能性が高いので、検索言語を「英語」、地域を「イギリス」(念の為にVPNを使ってイギリスのIPを利用)にして、「GlobalSign LTD Nuno Amaral」で検索をかけてみました。
結果、表示されたのは、Linkedinの2ページのみ。
国際企業で部門責任者を2年間務めた人物が、全く検索に引っかからないというのは、かなり不自然です。
そのため、Nuno Amaralという人物が本当に実在するのか疑わしく感じられます。
IS6FXの金融ライセンスについて
IS6FXの会社概要ページに記載されているライセンスは2つです。
そのうちの1つ、GB21026947については、他社のライセンス番号であることが判明していますので、残りのT2023309 (Comoros, IS6 Technologies Ltd)について調べてみました。
コモロ諸島のライセンスが確認できるサイト、「MWALI INTERNATIONAL SERVICES AUTHORITY」で、ライセンス検索を行ってみました。
すると、Brokerage Companies(証券会社または仲介会社)のリストに「IS6 Technologies Ltd」の名前がありました。
外部サイトからのリンクには、事前許可が必要なため、リンクは張りません。
気になる方は以下アドレスをコピペしてみてください。
参照元:https://mwaliregistrar.com/list_of_entities/verify/217
CEOの名前はフルネームで「Nuno Rodolfo Ferreira Do Amaral」と記載されています。
ライセンスの発行日は、2023年6月19日となっており、IS6FXに生まれ変わった2020年10月から2年8ヶ月の間は、ライセンス無しの状態だったということです。
コモロのライセンス取得は確認できましたが、国際的な信頼性や規制の厳格さに欠ける点が懸念されます。
そのため、このライセンスを根拠に安心と判断するのはリスクがあると思われます。
IS6FXの口コミ・レビュー
ネット上やSNS上でのIS6FXについての口コミをいくつか集めてみました。
キムマサル氏から紹介で小川ゆうり先生を知り、コピートレードに参加した。8月23日までは順調で9月には出金が可能になるという話だった。ところが26日早朝、窓明けで相場が数百ピプス動いたわけでもないのに突然全損になり、参加者300人以上の資金が失われた。 100万円以上is6に入金すると小川ゆうり先生と一緒に温泉旅行に行けると募集していたが、結局誰ひとり出金できないままとなる。
引用元:https://www.wikifx.com/ja/comments/detail/202408265592887812.html
10万円開始にて、しばらく0.01~0.04程度の取引が続いたが、突然夜中にナンピン無しで高ロットを入れられ全損となる
引用元:https://www.wikifx.com/ja/comments/detail/202401044912867489.html
IS6FX利確したとたんに 停止させられまんだけど
違反行為も何もしてないのに 再開いつになるか分からないとか 出金もできないし、終わってんな
引用元:https://x.com/skyblue_112609/status/1852147835640377815
1ヶ月集金を遅延されました。 20万未満だったけど。 そこはさらに入金反映しないという恐ろしいこともありました。
引用元:https://x.com/mesonkun/status/1614547692121882625
この他にも、Xでは「違反していないのに出金拒否された」といったポストが複数見られました。
IS6FXの総評
IS6FXについては、WikiFXにて「Fxfair」や「AssassinFX」との関連も指摘されています。
参照元:https://www.wikifx.com/ja/newsdetail/202406277804377123.html
どちらも、SNS等でコピトレ勧誘が行われ、ある日一気にドローダウン、コピトレ主は雲隠れみたいなヤツだよ
また、IS6FXは、透明性の低いDD方式を採用していると指摘するレビューも多く存在します。
いわゆるB-book方式を採用している業者に該当する可能性があるということです。
これは、業者が不利な状況に直面した場合、ユーザーにとって不利益となる行動を取る可能性が懸念されるということです。
海外FXブローカーを利用するのは個人の自由ですが、信頼度の低いブローカを利用することの危険性を認識しておきましょう。
また、金融庁からも警告が出ている通り、実力や素性の分からない人のコピトレに参加するのはオススメできません。
以上「IS6FX」についてでした。